ひさしぶりに落ち着いて、Mバードでマエストロ村井の「これだ!オーディオ術」を聞いた。
サブ部屋のヘッドフォンシステムで聞いたので、ずいぶん細かい音まで聞き取れました。
6月の「オーディオ術」は、こんな感じだった(HPより)
6月/同門アテフ・ハリムが語る兄弟子の魅力
3月28日(水)、アテフ・ハリムさんに出演してもらったとき、様々な演奏家の思い出話が出ました。シャルル・ミュンシュ、ポール・パレー、エーリッヒ・ラインスドルフ、セルジュ・チェリビダッケ、レナード・バーンスタイン(コンサートマスターの側から見た名指揮者たちの人間像はなかなか面白かったですよ)。
そのときピエール・アモイヤル(1949-)の名もあがりました。12歳でパリ音楽院を首席卒業した天才ヴァイオリニストで、卒業後ハイフェッツの厳しい指導を受けたことでも知られています。しかし同じハイフェッツ門下でも、アモイヤルとハリムさんはずいぶん弾き方が異なる。師匠ハイフェッツと比べてみると、これまたかなり違う。
そのあたりのことを電話でハリムさんに尋ねたのですが、微妙な話なので、電話ではとても無理! だったらスタジオに来てもらって、いっしょにアモイヤルの録音を聴き、「ここがハイフェッツの影響なんだよ」というような解説をしてもらえないか。題して「同門アテフ・ハリムが語る兄弟子の魅力」。
収録は思っていたよりずっと大変でした(日本語、英語、フランス語が飛び交った)。しかし、同門ヴァイオリニストに勘どころを教えてもらいながら聴くというのは、なかなかスリリングな体験。残念ながらすべてのやり取りを電波にのせることは不可能ですが、6月の放送4回を聴くことで、皆様の「ヴァイオリン耳」が鍛えられることは間違いありません!!
今月はともかくばたばた忙しくって、じっくりこの特集を聞くことができなかったのだけど、昨日の放送はリアルタイムで聞きました。
かかった曲:
出演:村井裕弥 ゲスト:アテフ・ハリム、森明美 ※同門アテフ・ハリムが語るアモイヤル の魅力④ | - | |
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op13 | ピエール・アモイヤル(Vn)、アンヌ・ケフェレック(P) | ERATOWPCS-13421 |
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調Op13 | ピエール・アモイヤル(Vn)、パスカル・ロジェ(P) | DECCAPOCL-5296 |
マスネ:タイスの瞑想曲 | アテフ・ハリム(Vn)、淡路七穂子(P) | ラッツトップレコードNCS-323 |
ハリムさんによると、アモイヤルさんの最高の演奏が聞けたのは70年代だったということで、今回はフォーレのヴァイオリンソナタの70年代の録音と90年代の録音を聞き比べるという趣向、、
(アモイヤルさん)
とはいえ、あたしは聞いてる途中で爆睡してしまって(笑)、始めにかかった70年代の録音しか聞けなかった、、
しかし、あたしは、アモイヤルさんの演奏を今回と、先回のメンデルスゾーン(?)協奏曲を聞いたのだけど、、、どちらも、音を極限まで追い込んでるなあという感想を持ちました。なんというか、自分の持つイメージに対して、ギリギリまで命を絞りながら演奏してるんぢゃないか、、こんな演奏したら死ぬんじゃないか、、なんて思わせるほど、、極美な音の演奏であって、、良かったです。
もちろんアモイヤルさんご健在なんですけれど(笑)。
番組がはじまる前、偶然、ムラビンスキーのこの盤を聞いていました。
実はあたしはこれ今まで未聴であって、しかもムラヴィンスキーの演奏って、こちらも気合入れないといけないから(笑)、ちょいとつかれがたまっているときに聞く気はしないのだけど、せっかくCDを仕入れたのだから、まあ最終楽章でも聞いてみましょうぐらいの気分で回しはじめたのだけど、、
いや、こんな演奏だったんだ! これってほとんどジャズじゃん! ものすごいドライブとリズムの炸裂、、、ぶっ飛ぶテンポ、、でも一糸乱れないオケ、、ムラヴィンって、もしかして、ものすごくジャズ好きだったんぢゃと思わせるほどの「スィング感」。
チェリとかカラヤン盤でこの曲を良く聞いて、、ゆったり・雄大みたいなイメージをこの曲にもっていたのだけど、、いやいや、、ムラヴィンの演奏は、、なんというか、、正気と狂気のはざまみたいな感じ、、
このかわいいロシアの女の子のジャケにだまされちゃいけない! なんというか、、すざまじい演奏なの、、
ムラヴィンのこの演奏も、アモイヤルさんの演奏みたく、ギリギリまで、極限まで、何かを追い込んでいるような感じがある。何なのか、、それぞれの音楽のイメージなんだろうと思うけれど、その追い込んでいく、パワーというか、、思いというか、、、もうこれは日本人ではかなわんだろ~とちょっと思ってしまうほどのインテンシティなのであります、、
バイオリンで、あたしが初めてすごい!と思ったのは、オイストラフさん、、この人もロシア人か、、
もう20数年前買った、このアナログ盤。バルトークのバイオリン協奏曲。なんと指揮はこの間他界されたロジェストベンスキーさん、、、
この盤のオイストラフさんの演奏聞いて、、、まるで気がふれたような、、これもちょっと狂気と正気の間みたいな演奏ぢゃないか? とあたしを思わせたほどの、すごさ、、
ロシア人って、何かこう、そういうふうな血があるのかもしれませんねえ、、小説なんかもそうかなあ、、なんというか、生きることについての「苛烈」さとでも言うのでしょうか、、
で、ちょっと調べてみたら、、アモイヤルさんも実はロシアの血を引くバイオリニストということと、
もちろんこの人の師匠はハイフェッツということだけども、一時期、オイストラフにも師事したということ、、 というと、なんというか、上に書いたことがちょっとずつつながったようで不思議(笑)。ああ、師匠ふたりがロシア人だ!
番組の最後にアテフ・ハリムさんの録音で「タイス」、、
ん~この演奏はちょっとハイフェッ先生に似て、感情過多にならない、さらりとした演奏か、、
と思えば、ちょっとポルタメントが入ったりして、、実にユニークだと感じました。
アモイヤルさんの「極美」まで追い込む演奏とちょっとスタイルが違うんだなあと思いました。
ということで、マエストロ村井の番組を聞いて、いろいろなことを愚考、、
来月からはジャズ特集 == ヴィーナスレーベル特集とのこと! 楽しみ!