前稿のようなずんだれた様子で、しかもラックスのジャンクアンプがあたしの好みにぴったりの音で鳴るものだから、さらにずんだれる(笑)。
厳選したソースと高音質でノンストップで音楽を流してくれるMバードは、ずんだれたあたしのナイトライフをますます受動的していくのでした(笑)。
さて、昨晩8時は、おまちかねマエストロ村井の「これだ!オーディオ術」です。先週に引き続きマエストロ一押しのピアニスト藤田真央さんのCD特集2回目です。
内容は(HPから):
8月/ピアニスト・藤田真央 特集
8月は藤田真央特集。まだ東京音大在学中の若いピアニストですが、2017年クララ・ハスキル国際の覇者。すでに3タイトルのCDをリリースしています。この内容が、予想をはるかに超えて素晴らしいのです。特に、サードアルバム!今回は、そのサードアルバムのプロデューサー長門裕幸さん(ナクソス・ジャパン)をゲストにお招きし、3タイトルの聴きどころをうかがいました。
3週目以降は、ナクソス・ジャパンが取り扱うレーベルを紹介。長門さんに概要を語っていただいたあと、OEHMS、ALPHAについて吉田早苗さんが力説。まだどこにも載っていない秘話満載です。もちろん、よりすぐりの名盤をたくさんおかけします。
かかった曲は:
出演:村井裕弥 ※ピアニスト・藤田真央 特集 | - | |
ラフマニノフ:楽興の時Op16第6番ハ長調 | 藤田真央(P) | NAXOSNYCC-10001 |
三善晃:ピアノ・ソナタ第3楽章:プレスト | 藤田真央(P) | NAXOSNYCC-10001 |
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op10-2第3楽章 | 藤田真央(P) | NAXOSNYCC-10001 |
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op27-2「月光」 | 藤田真央(P) | NAXOSNYCC-27296 |
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op58第3楽章 | 藤田真央(P) | NAXOSNYCC-27306 |
今回紹介するのは、藤田さんのデビューCDとのこと。しかし、デビュー盤なのに、この選曲はちょっと硬派というか、難易度高いぞっという感じですが、、
まずは、ラフマニノフから、、ん~む、、ん~むなんであります。いや、いい意味でのう~むなんです。うちの同居人のおばさんもピアノを弾くのですが、いつもいうのは、ピアノで技術的に最高に難しいのは(あくまで技術的に)は他ならぬラフマニノフと言うのです、、そうして、自分の技術では、本当にゆっくりしたもの以外は全くたちうちできないというのです。しかしながら、藤田さんの演奏は、たしかにえらく難しそうなこの曲を、まったく問題なく演奏しているように思えます。というか、すごいテクニック!
ともかくフォルテシモでは轟轟と鳴る低音を柱に高域までぐ~んとピアノが鳴り切っておりますね。
だけど、先回聞いたときも思ったのだけど、テクニックだけでなくて、何かこう、音楽でストーリーをつむいでいくような、、、そんな深みと広がりを感じます、、しかし、このピアノの響というか鳴らし切ったときの音は、あたしはホロビッツのピアノを想い出すのですが、、
しかし、これが10代の日本人の演奏!? とおどろきます。何もしらないで聞いたら、ロシアの酸いも甘いもかみ分けたいい歳の大男の演奏だろうと思ってしまいますが、、藤田くんっていったいどういう生い立ちなんだろう? だってジャケットの写真みたら、その辺にいるかわい~シャイな感じの高校生ぢゃないですかあ!?
次にかかったのは三善晃さんの現代音楽、、、オケの作品は聞いたことがあるけれども、ピアノははじめて、、
ん~これもものすごく難しそうなんだけど、藤田さん、技術的な問題は全く無し、、この複雑な作品を弾いていきます。ラフマニノフのときも感じたのだけど、藤田さんは、三善さんの曲でも何かこう、音楽でストーリーというか情景というか、そういうものを聞いてる人に想起させる力があるように感じます。これはもちろん、藤田さん自身が曲に対する明確なイメージを確立させておいた上で、演奏してるんだろうからと思う、、
さて、ナクソスの方によると、、この盤は、ベルリンのイエスキリスト協会で、ドイツ人のトーンマイスターによって録音されたものとのこと。
イエスキリスト協会っていうと、カラヤンBPOが60年代さかんに録音した場所ではなかった、、、確かにこの録音、、細かい部分は若干わかりにくいけれども、ピアノ全体の響を、むしろ大きくとらえているような感じがしました。まあ、うちのジャンクアンプとミニSPの再生だから、こう聞こえたのかもしれないけれど、、
そして、次はベートベン、、しっかし、すまぬ、すまぬ藤田さん、そしてマエストロ、、、
ここですでに酩酊していたあたしは気絶、、轟沈してしまったのでした、、
気付いたときは再放送のモーッアルトがかかっていたのでした、、
しかし、上の2曲聞いただけでも、藤田さんが全くただならぬ、なんというか「巨大」なものを持ったピアニストではないかと感じました。ふつ~のサイズにはおさまりきれない、そんな印象を持ちました、、
比類のないテクニック(技術)、、揺るぎのない曲へのイメージ(知性)、、、コントロールと爆発の絶妙のバランス(情)、、という感じかな、、ちょっとホロビッツみたいな感じがあるような、、
しかし、本当にこの録音、藤田さん10代のときのものなのか、、もういちど、この人どういう人なのか、、知りたいなあ、、