あたしのメインスピーカーは、この2年 FAL Supreme C90EXであります。本器の前は、B&W802ダイヤモンド。このSPをアキュのプリとメイン、そうしてDG-58で音場補正して鳴らしていて、何の不満もありませんでした。
しかし、2年前の熊本地震でB&Wのツィター部分が大破、、修理は可能だったのだけど、修理代が極めて高額になることと、また同じような目にあうのは絶対にいやだなあということで、新しいSPを入れることにしたのでした。
新SPの候補としては、ちょうどその頃リリースされたB&WのD3シリーズの802、805なんてのを考えたり、この際、もうタンノイにしてみようかと、手持ちのSPをあらためて鳴らしながら、しばし悩んでいたのでした。この時期、いつも気にかけてくれて、貴重なアドバイスをしていただいのが村井先生でした。
ずいぶん前に上京した折、村井先生直々にご案内していただいて、FALのお店で実際の音を一緒に聞いたのでしたが、そのときのまるで風のような音に驚嘆したのでした。それ以来、FALのSPは気になっていたのでしたが、結局B&Wとアキュという「ブランド機器を選択したのでした。
で、震災を機に、村井先生の助言もあって、今のFALスピーカーを導入、アンプもファーストワットのSIT-1とか300Bなど入替ながら追い込んでいったのでした。1年以上前、いまひとつうちでは不足気味に感じられていた低域をエンフォースするために、フォステクスのサブウーファーを、これも村井先生の助言を受けて、左右CHに一台づつ導入したのでした。
ということで、まあまあ、音は落ち着いていて、音楽も十分に楽しめる音になっていたのでしたが、またこの1カ月ほど、なんというか音のにじみとか、、高域のちょっとエッジのたつところ、そういうほんとに微妙な「音の不ぞろい」が気になりだしたのでした。そのことについては、過去の記事で書きました。
そこで、このSPセットに使われているツィターに注目した訳です。同種のSPをお使いのお二人:酒仙坊大先輩とブログ友の
Shimaさん。おふたりとも、本器のツイッターの取り扱いには気を配っておられました。一方あたしは、スナーケーブルのジャンパーケーブルを当初から使っていて、特にここを気にもとめなかったのですが、ちょっと、ツィターの取り扱いにちょっと配慮してみようかと思い腰をあげたのでした。
先ずは、手持ちのSPケーブルを使って、バイワイヤ接続をしてみると、あらら、今までと音の様子が全く違うことが分かりました。そこで、SPケーブルをいくつか交換して、バイワイヤ接続にしてみると、う~む、ケーブルで音がものすごく変化することが分かりました。
では、セオリー通り、FALのフルレンジユニット側に使っているのがリベラメンテSPケーブルなので、もう一本ツィター用にリベラメンテSPケーブル(同じ長さ)を使って、音の様子がどうかわるか試してみました。
メインアンプは、EAR509MKⅡ。こちらからバイワイヤ接続です。
アンプについて言えば、メーカー推奨のアンプは300Bとかのシングルアンプ 8W程度パワーのもの。EARのこのアンプは、出力100W。作りも普通の玉アンプとはだいぶ違って、超ワイドレンジをカバーするもの。メーカー推奨のアンプに比べるとオーバースペックかもなあと実はちょっと心配していたのでした、、今回バイワイヤにして、アンプとの相性も検証するいい機会と考えました。
さて、しばらくバイワイヤの状態で音を出した後、耳タコCDをかけながら、音を傾聴、、、
う~む、、、う~む、ものすごく変わりました、、端的に言うと、ひじょ~によくなった!
高域から低域まで音全体のズレが全くなくなりました、、全ての音がそろったという感じ。サブウーファーを置いているいう感じが全くない。つまり音全体自然に聞こえるようになりました。それと、音の艶・コクが今までよりも濃厚に出てくるようになりました。それと、これまでより低域が伸びています。しかし、鈍重な低音ではなくて、スピードが速い、、いや音全体のスピードもあがっていますね。そうしてなにしろ細かい音の響が美しい、、FALの特性である抜群の定位、、そうして、オケのフォルテシモでも、破綻なく、自然にふわ~っと出るようになった、、
FAL社のこのSPシステムの宣伝文句でもある、「抜群の定位と澄み切った音、、」が、これがそうかあとあらためて実感しました。デジタルでもアナログでも、以前とまったく違う音の様子であります。
そうして、この音のコクというか艶というか、ちょっと官能的なところは、これこそがEARのアンプの音なんだと、今回はじめて実感しました。
とうことで、バイワイヤ=特に全く同じケーブルで実行した状態=はC90EXを全体的に鳴らすためには、有効な方法、いや、「必須」であることを今回実感しました。このSPシステムには、AMIというハイルドライバーツィターが突いていて、この独特のツィターをうまく鳴らすことが、システム全体をうまく鳴らすために是非必要なのでした。
さて、上の状態で、音楽を聞いていて、まったくしあわせだったのだけど、実はフルレンジ用のSP端子には中村製作所のアモルメットコアを使っておりました。で、使っていなかったメットコアを、高域用に入れたらどうなるか、やってみました。
写真の通り、上・下端子ともメットコアを使っています。上の端子用には、小型のものを使っています。まあ、これしかなかったので(笑)。
さて、どうか? う~ん、ちょっと高域がそがれて、音全体がぼんやり、なまくらになった感じが当初したのですが、いや~これは、実力が出てくるまで一定時間の鳴らしこみが必要だっていうのは、わかっていたので2、3日、この状態で鳴らしこみます、、、
で、4、5日経ちますと、、ん~やっぱり予想通り、音が変わりました、、つまり、当初のぼんやり・なまくならな感じが全く払しょくされ、音全体が自然でしなやか、、アバド指揮の「フィガロ」がこんなに活き活きと鳴ったのははじめて! こ、こりはいい!
EARのアンプの艶とコクもじんわり、染み出してきて、、そうしてFALの広い音場と、バイワイヤによる音全体の統一、、
FAL C90EXWの本当の音を聞くには、いかにAMIツィターをうまく鳴らすかにかかっていることが、はっきり分かりました。
そうすると、究極的には、バイアンプで鳴らすっていうことになるのだろうけれど、いやいや、今はこの音でとてもしあわせ。
それにしても、村井先生がFALのSPを強く薦めていただいたことにあらためて感謝です。うちの8畳のリスングルームで、もっともよく音楽が聞けるのは、フラットスピーカーの他無しということが見えてらしたのだなあ、、、
実は、一旦FALを手もちのタンノイに変えてならしてみようかと思っていて、この連休にやってみるかあと考えていたのだけど、いやいや、これだけFALの音がよくなってので、もうその必要はありません。ひたすら、この音で良い好きな音楽を聞くだけさっ!