小学1年になって、しばらく、訳あって、父と二人で、父の転勤先のM市の下宿でふたりで、数か月暮らしたことがありました。1967年のこと、、
休みなると、父は、せがれを不憫に思ってか、M市の繁華街のあちこちに連れていってくれました。そのひとつが映画館、、、
ある日、父とふたりで、この映画を見ました。
(なつかしいサイボーグ009シリーズ)
まあ、父は、こどもだからマンガ映画でいいかなんていうことで連れていってくれたのだろうけれど、サイボーグ009,、、それ以降、あたしは石ノ森先生の漫画にはまることになるのだけど(笑)。それは、そのときはわからない(笑)。
さて、細かいストーリーは、覚えてないのだけど、敵に捕らわれた003(フランス人バレリーナ―であるフランソワーズ)がモンスターに改造されそうになるときに、彼女が過ぎ去り市自分のバレー晴れ舞台を思い出すというシーンがあった。そのとき、バックに、ものすごい!音楽が流れました。
これは何! とうとうと流れるような音楽、、身も心ももっていかれそうな音楽、しかも大音量で映画館中に、このすごい音楽があふれる、、
小1のあたしは、マンガよりも、この音楽にほとほと魅了されたのでした。還暦を前にした今でも、そのときの興奮・感動を覚えているほど、、、
そのとき、マンガのバックに流れていたのは、まあ、お約束みたいだけど、チャイコフスキーの「白鳥の湖」の、ほら、みんな知ってるあの、有名な音楽だったことは、だいぶ後になって分かったのだけど、、
60年代後半の小さな映画館のその音が、オーディオなんて未経験の6歳のこどもの耳にも、ものすごく良いことはわかりました。テレビとかラジオとかの音は全く違う、ほんとうに身も心ももっていかれそうな音響、、、
あの当時は小さな映画館でも、ALTECのホーンスピーカーを玉のアンプで鳴らしていたのだと思うけれど、それにしても、あの音は、すばらしく良い音だった、、、館内に音が広がって、音楽が盛り上がるところは、もうものすごいボリュームなんだけど、少しも歪まない、、
いわば、あれが、あたしの「オーディオ初体験」だったのでしたね。
(アルテックA5とかだったのだろうか、、)
映画が終わると、父は、いつも、おいしいものをごちそうしてくれた。
生まれてはじめて、お蕎麦やお寿司を食べて、、あまりのおいしさに感動したのもこのころ。
とても良い思い出(笑)。
父にとっては、全く興味もなかったろうマンガや怪獣映画によく付き合ってくれたなあと思います。
1967年数か月の父と二人の思い出の中にも、初めてのオーディオとの出会いがありました(笑)。