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Channel: 西野和馬のオーディオ西方浄土パート2
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ショスターコヴィチのアウトレイジ

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昨晩は久しぶりにうちのメインシステムで音楽を聞いた。聞いた盤はカラヤンBPOのこれ





あ~こんなの聞くのか~と思いながらオーディオテストとしてはいいかと思って、トレーに入れる。


あ~やっぱりこの時代にカラヤンのデジタル録音の音は良く聞こえるんだけど、全体的に平面的というか、べったりというか、フォルテシモでは音が団子的に出てくるので、なんとな~くやっぱりデジタル録音初期のものなのかなあという感じの音、、もちろんうちのシステムではどう聞こえるというものなのだけど、、


でも、やっぱりショスターコヴィッチの音楽はすごい! 


そういえば、大昔、ソ連系の友達のうちに遊びに行ったときに、ショスターコヴッチのレコードを聞かせてもらったことを突然思い出した。彼はロックが大好きだったのだけど、シドニーのソ連系ショップに行ってはショスタコのレコードを買ってくるのだと言う。


しずかに始まって、だんだんとビルドアップしてくる様子がとてもロックに似ていいというのでした。


彼のことを想い出しつつカラヤンとBPOの10番を聞く、、


ああ、やっぱりこんな休息なフレージングとか鋭角的なリズムとかフルボリュームのフォルテシモなんかはたしかにハードロックに通じるところはあるなあと、彼のことを懐かしむ。彼は今いったいどこにいるんだろうか、、、


で、どんどん聞き進んでいくと、ショスタコさんこの音楽でいったい何を表現したかったのだろうか?と思う。カラヤン指揮のこの盤だと、もちろん整然とすばらしい音響祭りという感じなのだけど、やっぱり「激怒」と「悲しみ」がこの交響曲の横溢しているっていうふうにしかあたしは感じられないのです、、、


そうして、そ~いえば、この間スカパーでたけしが監督した暴力映画「アウトレイジ」を観たことを思い出した。アウトレイジ = Outrageっていうのはものすごい怒り、憤怒っていう意味だと思うけど、もちろんたけしの映画は男たちの怒りと暴力っていうのがテーマになっていて、けっこうおもしろかったのだけど。




たけしってつまり、こういうことをやりたいのかなあと思ったしまったのだった。この映画で印象に残ったのは、たけしの静かなすごみ。この人、死にたいのぢゃないだろうかと思わせるほどの凄味のある絵は、いやあなんともすごいパワーがある。


で、ショスタコの音楽も「憤怒にあおらえた暴力」としか思えないところがある。なんで、ここまでやるのとか、これはふつうのオケではできないでしょみたいなところがある、、


ショスタコとたけしには、なにか深いところで通底しているのがあるのかもしれないなあ、、と愚行する。


そのうち、外は大雨になって、かみなりががんがんなりだしたのだけど、ショスタコの10番を止める訳にはいかない。音楽のあらしと外の嵐がなんともぴったりあってて気持ちが悪い。


という訳で、いろんなことを考えながら10番を聞き終えたのでした。演奏はとてもすごい! だけどべったり録音はあんまりよくなかった。


音楽があんまり強かったので、なんかほわ~っとするものが聞きたいと思って聞いたのが、ウォルトンのビオラ協奏曲、、でも、音楽全体は静謐なんだけど、下に流れるなんとも言えない気味悪さはこれも20世紀真ん中あたりに生きた作曲家の特性なのかしらんなんて思いました。


みなさんお気に入りのショスタコ10番は誰の指揮ですか? 録音が良いものがあったら教えてくださいな、、



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