大分前に書いたかもしれないけれど、仕事中に流しているオーストラリア国営放送(ABD)のストリーミング放送で流れたベートベンのピアノソナタ「テンペスト」がとてもよかったので、曲が終わって演奏家の名前がアナウンスされるの確認したら。ポール・ルイスという人。
イギリス人でまだ50代で、なんと来日も何回かしている、ピアニストとしては結構名の知れた人なのでした。知らんかった、、
あたしはベートベンのピアノソナタって結構重くて苦手で、あまり聞くことはなかったのだけど、ポールさんのテンペストはとても良かった。音全体が済みきっていて、フォルテシモでもゴンゴンいくというなクて、音全体が分離よくぐ~んとのびて、あたかも湖に重さの違う石を投げいれて、その波紋がきもちよく広がっていくというような塩梅にあたしに聞こえた。
ポリーニ氏の後期ソナタ集も持っているのだけど、これは、なんというかキレキレの演奏で、すごいのだけど、何回もじっくり聞くのはつかれる~。
それにポールさんの演奏には、なにかしらスウィングというかドライブがあって、あたしにはとっても乗りやすい。
とういう訳でポールさんしらべてみるとベートベンのソナタ全集をすでに録音していたので、ん~と悩んだけど購入、、、
で、テンペストをも一回聞いてみたのだけど、放送のときと同じ印象で、重すぎることなく、むしろ音が限りなく広がっていくような印象であって、とてもすがすがしいベートベンなのであった。
ハルモニアムンディの録音も非常に良くて細かい音もよく聞こえて、とても心地よい。
ベートベンに心地よさを求めるっていうのは、趣味に合わないっていう人もいるかもしれないけれど、あたしには実にしっくりくる演奏スタイルなのでありました。
だからといって、軽いというのではなくて、ん~じっくり、しみいるような演奏であります。
ポール・ルイスいいよ!