今までのアキュの音ががらっと変わってしまった。これまではサウンドトレール社の極太スナーケーブル仕様の電源ケーブルを使っていて、その時の音は、エネルギーも十分、ほんのり艶がのって実にスィートな音でした。
一方、パワーリベラメンテを使うと、一言でいうと今までになかった「音楽性」がはっきりと出てきた。つまり、音楽の最も大事な部分、音の重なり、和音、響など、音楽の要素がぐっと見えるように浮き出てくるのです。
耳タコCDも、今のうちのシステムで聞くと、音楽の構造というか音のつらなりというか、それと同時に演奏者の気持ちも伝わってくる感じが濃密になった。
例えば、カラヤン指揮 VPOのチャイコフスキー 交響曲5番。もう、今まで聞いていた音とは「全く違う」。
今までの音はたしかに美しい音ではあってけれど、リベラメンテ導入後の音は、ベールが全てとれて、音楽そのものの微細なうごきが手に取るように見える(聞こえる)。あたかもうちのシステムのSNが(もともとアキュだからとても静かなのだけど)さらにアップしたように静か、、まさにVPOの響はこうなんだろうなあというぐらい美しい響が出てくる。
2楽章などはもうVPOの美の結晶のような音が出てくる。この盤はこんなに素晴らしい演奏と録音だったのかあと驚いてしまう。
あたしが大好きなラベルの管弦楽集。ジュリーニー指揮 ACO盤を聞く。弦の音の艶と響が実にすばらしい。音楽がひたひたとせまってくる。こんなに美しい演奏だったのだと再確認。
さらに驚いたのは、クリュタンス指揮のパリ管の大昔のEMI盤。こ、これはすばらしい。古い録音なのにジュリーニのデジタル録音より、すばらしい音! 音全てがみずみずしくてとても、50年近い前の録音とは信じられない!ほど。こんな音でこの盤が鳴ったのは初めてでした。
ジャズは最近良く聞いているウィントン・マルサーリスの何枚かを聞く。これは大変美しく聞こえるのもあるし、
少し濁った感じのものもある。なるほど、パワーリベラメンテはCDの録音の良し悪しを無残なぐらいあからさまにさらけ出してくるようです。
カラヤン BPOのマーラー9番(ライブ盤)は、やっぱり、音楽の立体構造が精緻に浮き上がり、しかもパワー感も十分なので、まるで初めて聞いたような音にひたってしまったほどでした。同じくカラヤンのニューイヤーコンサートもすばらしい音。なぜかしらないけれどリベラメンテとVPOの相性がとても良い(笑)。