帰宅して、さ~今日は何を聞こうかと考える。
耳タコCDばっかり聞いて音質の違いを確認するだけぢゃまったく面白くないと思って、あんまり聞いてなかった盤は何かないかと探してみたら、あったあった。
団伊玖磨さんの交響曲全集。タワーがまだあった頃にセールで買ったもの。1、2回きいただけで、じっくり腰を据えてきいてなかったので、ああ、これこれと思って回した。
先週は広島、長崎の日と続いていたので、交響曲6番「HIROSHIMA」という作品。演奏はウィーン交響楽団で指揮は作曲者。
日本的な旋律もあるし、ブルックナーみたいなところもあるし、ショーンベルグみたいな現代音楽的な部分もあるし、童謡みたいな旋律もでてきて、実に独特。
今回は音場補正後、はじめてこの曲を鳴らしました。80年代後半の録音だから音質は極めて良いです。
この作品は極めてダイナミックレンジの広いもので、特に最終楽章の最後の部分、強烈なブラスが鳴り響くところは、実に柔らかく、しかし、豊かに広がります。相当なボリュームがでてるとは思うだけど、バランスされて破たんしませんね。なにしろうるさくない。音楽の良さを担当できる再生音。
ハイファイ的に言うなら、もっと良くすべきところはあるけれど、音楽的には、もう十分なレベル。
やはり、8畳程度の音楽スペースで、フルオケをなんとか聞くためには音場補正はやった方が良いと思います。なんで今まで、やらなかったんだろうとおもいます。
作品としては、悲惨な過去から、広島を通じて、実に肯定的な明るい未来を希求するというような、いわばメタモルフォーゼをコンセプトにしているような感じがあたしはしました。
しかし、いやあ、実際のところ初めて聞いたような作品だったけれど、とてもひきこまれました。今まで聞いたことのない作曲家の良い作品を聞くのは、人生のひとつの楽しみですねえ。
今週は団伊玖磨さんの音楽を聞いていくことにします。