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Channel: 西野和馬のオーディオ西方浄土パート2
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エルガーとオーディオ道場

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あんまりお天気が良くて、仕事もひとやま越したので、昨日は午後から仕事をおやすみにして、オーディオ道場へ行ってきました。


まあ、それにしても当地、良いお天気が続いていて、昨日もスーパーブルースカイ! 実にさわやかな季節であります!

道場に着くと、片山マスターが玄関前を水巻しています。何しよるとですかあ?と聞くと、もう~からからでほこりがたつし、火山灰が降るけん、水ば巻きよるとた~い   

ですと、、

週末は大変だったけれども、今日はさすがに月曜日でだれも来ない、西野さん一人だよ~ と アンプに灯を入れてくれました。

ほんとに今日は、あたし以外にお客さんはいなくて、近所の常連さんのお一人が、玄関前に竹を切る作業に専念されているばかり、、、、

いつものJBL HL-88(蜂の巣)で大昔のマイルスとかを聞かせてもらいながら、マスターの炒れてくれたおいしいコーヒーを飲む、、、

お客さんはあたしだけなので、ひっさしぶりにマスターと一緒に座り、いろいろ話します。

マスター、この蜂の巣、ものすごく良くなりますね。また、良く鳴りますねえ 

と感想を述べると、、


あったり前たい! 3極管の音たい 8Wでもこれだけ鳴るとたい! 

と鼻息荒い。

それと、プリがいいとたい! SAEのプリで、ボリュームぢゃんなくて、スライダーバ―たい、昔のJBLとかのアンプとかと同じたい。これの方が音がいい。ストレートにすかっと出る!

そんなこんな言いながらSAEプリの取説とか、74年当時のステレオサウンドを探してきて、あれこれ解説してくれる。

この時代が良かったなあ、このアンプ知ってる!? 知らんと!? これ名機バイ! 



いや、マスター この時代、あたしはまだ小学生か中学生で、聞けるなんてものぢゃなかったですから、


そうかそうか、おっこちゃま~ね 若いのね~ お~スレッショルドもいいね~ マッキンのC-29もいいねえ!

などとさらに説明は続く、、

こんなにゆっくりマスターと話をするのは、実にひさしぶりだな~と思って、にやにやしながらご高説を拝聴しております。




でもね~マスター、最近思うのはね~。なんかこう16センチくらいのね~ フルレンジかなんかをですね。



玉のアンプかなんかで鳴らしてですね、、こうまったり中域があつくて、とろとろの音でねえ、、大昔のジャズとかを聞きながら、一杯やるっていうのが 一番いいかなあと最近思うのですよ、、と言うと



マスター、破顔一笑、

そ~たい! やっと分かったね! それが究極のオーディオたい! 50過ぎてやって分かったばいね! でも、それは相当、やんちゃしたけん 至った境地だけんね~



よし、そしたら、これば聞いてごらんと、奥のリヴィングに招きいれてくれた。普通お客さんはこちらには入れないのだけど、何しろ今日お客はあたしひとりなのである、、、


そこで聞かせてくれたのは、タンノイの小型SPと300Bシングルアンプ、SATRIプリ、CDPはマランツの廉価DVDプレイヤーだったのだけど、、

チェロの音がろうろうと部屋にしみわたる、、ボリュームはそれほど上げられないかもしれないけれど、弦とかボーカルは絶品。

あ~これで、おいしいスコッチかなんかあれば、後は何もいらんですねえ、、 と言うと、、

マスターも そうだそうだとうなづく、、

おれももう 66歳になったバイと つぶやきます、、


部屋の隅には、亡きHさんのチェロがおいてある。そうかあ、Hさんはもうほんとうにいないのだなあ、、

マスターはこれから、ホーンを自作して、質の良いユニットと合わせて、いい音で鳴らすのだ、そのために今、ホーンの設計と制作に取り組むのだと言う。

そうかあ、寒くならないうちに、いろいろやらないといけませんね、、



うん、ここもぼちぼち寒くなるけんねえ、、とマスター

5時前。帰らないと。スターが車まで見送ってくれます。



また、おいでね、、何かいらないものがあったら、持ってきていいけんね、、

マスターと付き合いだして、オーディオ道場に出入りするようになって、かれこれ10数年がたつけれど、、、お客さんが帰るとき、マスターはいつも なんとなくさびしそうなのであります。


当地、今は5時過ぎると、だんだんと暗くなってきて、西の空がオレンジからうす~い白いようなむらさきのような、なんとも言えな色の夕暮れであります。車の窓から見る西の空が美しい、、

帰宅して、うちのメインシステムで、HAP-Z1ESに入れておいた、シノポリがフィルハーモニアを振った、エルガーの「エニグマ変奏曲」をかけた、、





この曲のテーマの、なんとなく、もの悲しくて、、それでいて、愛にあふれていて、、聞いていると、今日の夕暮れの光景を想い出す、、そんな音楽であります。


Z1ESのセッティングを変えたのは昨日書いたけれど、すこしづつ音はまた変わってきていて、あたし好みの音調になってきていて、シノポリってほとんど今まで聞いたことはなかったのだけど、なかなか、情感あふるる、この演奏にはひきこまれてしまいます。

こんなに、いい音楽をいい音で聞いてるんだから、一杯やらないと~と いつもの黒くて丸いボトルのお酒をロックでちびちびやりながら、さらに聞く、、

9曲目の有名な「ニムロッド」。エルガーの大事な親友の名前らしいです。ウィスキーでだんだんと白濁としていく意識の中で「ニムロッド」を聞いていると、、今日の夕暮やら、片山マスターの笑顔やら、、亡くなったHさんのチェロとか、、そんなものが、自分も含めて だんだんとそれこそイギリスの霧のような、ターナーの絵のような うっすらと白いものの中に、消えていってしまうのかもしれないなあと、、ぼんやり考えます。




(ターナーの絵:これは朝の情景らしいけど、、)


そ~言えば、エルガーもウィスキーが好きだったのだろうか、エルガーの時代はシャーロックホームズの時代だったけ、、、 うちのB&Wもイギリス製だったなあ、などなど妄想が続きます、 

あれれ、気が付くとエニグマが終わっております、、、


また、近いうち、天気が良い日、自転車で道場へ行きます、、


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