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Channel: 西野和馬のオーディオ西方浄土パート2
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調律師とオーディオ 

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昨日夜、偶然にBS1を見ていたら「もうひとつのショパンコンクール」っていう番組をやっていた。


ショパンコンクールの本選では、演奏者がいくつかのメーカー(スタインウェイ、ヤマハとかカワイとかね)の中から自分のこのみにしっくりくるものを選ぶことができるのだけど、それぞれにメーカーの調律師がピアニストたちの好みにあうように自社のピアノを調律していくっていう内容だったのでした。


特にメーカーとしては新参であるイタリアのファツオリというメーカの調律師は凄耳を持つ日本人なのだけど、この人が大変な苦労をするというのが話の柱になっている。伏線としては、カワイがヨーロッパで大変人気があって、コンクールでも選択するピアニストが多いけれど、その鍵はなにか? なんて話がある。


さて、ファッオリの調律師の越智さんは、ピアノのいろいろな部分を削ったり、ハンマーの先のフェルトを針でさして、音を変えていくのだけど、、この作業見てて、あらら、これオディオ馬鹿一代のみなさんと基本的に同じような作業をやってらっしゃるわんと思ったのでした。


越智さんがやっているいちいちを見てて、ああ、次はやわらかい音をねらっているな、とか、ああ、もちょっと響を豊かにしたいんだとか、、われわれがラックやインシュレータの素材に固い鉄や柔らかい木を使ったり、それこそケーブルを交換したりする==のにとてもよく似ていると思ったのでした。


調律師の真剣な姿を見ていて、あたしは、インフラノイズのA社長のことを想っていた。


あの一連のリベラメンテの製品を作る過程の中で、A社長はまるでピアノの調律師のような面持ちで、ああでも、ここでもないと試行錯誤したのではないだろうか、、あの素材、この電線、このプラグなどなど、気の遠くなるようなトライアルアンドエラーのもとに、納得のできる響・音に到達したんだろうなあ、、、


新製品のリリースがいつも予定より遅れてしまうっていうのは、A社長の理想の音に最後まで追い込みたいからなんだろうと思います。


結局、フィッオリのピアノはたった一人しか選ばなくて、あとはヤマハ、カハイ、そうしてスタインウェイだったのだけど、、


どのピアノも豊かで、きらきらした音で、そういう音が若いピアニストに好まれているだろうと越智さんは言っていたけれど、、


オディオ機器も一緒ですね。きらきらした響を出すものや、もっと落ち着いてあたたかい音を持つものもある。メーカーごとに音のポリシーがありますね。


正月休み音もだちのうちにあそびにいったら、アキュの昔のプリ C-280Lを鳴らしておりました。アキュの80年代の音は、きらきらした豊潤な響だよって噂は知っていたけれど、実際に音をきいて、確かにそうだなあ~と思いました。


ピアノのきらびやかな響は、とてもすてきであたしは好きでありましたが、こういう音をキンキンするっていって嫌悪する向きもありましょう、、


時代とともにアキュの音も変わってきているようです。今の音は、280の時代に比べると、もっと自然で豊かな音であります。


でも、どちらが好きかなんていうのは、もう本当にその人の好みであって、まさに相対論なんであります(笑)。


さて、ショパンコンクール。今回は韓国の青年がスタインウェイを弾いて優勝、、、あたしとしてはヤマハを弾いていたイスラエルの青年が良かったと思ったけれど、、


でも、やっぱりショパンの音楽は、豊穣で、きらきらした音で、空間に無数のダイヤモンドが散乱するような様で演奏してくれた方が、あたしとしては、いいなあと思えます、、


さて、今日から仕事であります! 全国の音もだち、今年もお仕事オディオ がんばろうね! 




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