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Channel: 西野和馬のオーディオ西方浄土パート2
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音楽考古学!? アントネッロに驚く!

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水曜日の8時からはミュージックバードのマエストロ村井の番組

「これだ!オーディオ術~お宝盤徹底リサーチ~」なのだ! 

昨日は2階のタンノイとウエスギで聞きました。なんだろう、、タンノイの音がだいぶ柔らかくなって、音場も広がって、とても心地よい音になりました。インフラノイズのDAC-1をかましていることもあるだろうけれど、なんだかとても良い音になりました。エージングが効いてきたのだろうな、、

 

さて、12月のこの番組は、バロック時代前の音楽を中心に演奏・録音活動を続けているバンド「アントネッロ」の総特集であります。

 

昨日もこのバンドのコルネット奏者の濱田さんをゲストにマエストロがいろいろ聞きながら、音楽を流していくというものであったが、

これが実に興味深かかった、、、

 

アントネッロは13世紀から16世紀(バッハより前)のヨーロッパ音楽を発掘して、自分たちになりに考察を加えて再現・復活させるという活動を続けて、録音しているとのことなんだけれど、、

 

昨晩は下の曲を流してくれた、、

 

ヤコブ・ファン・エイク:「笛の楽園」よりファンタジアアントネッロCokkie&BearALQ-0001
ヤコブ・ファン・エイク:「笛の楽園」よりナイチンゲールアントネッロCokkie&BearALQ-0001
カンティガ第10番「薔薇の中の薔薇」アントネッロAnthonello ModeAMOE-10001
カンティガ第1番「詩を作り歌います」アントネッロAnthonello ModeAMOE-10001
カンティガ第384番「その大変な美しさゆえに」アントネッロAnthonello ModeAMOE-10001
カンティガ第166番「人々の体は罪によって」アントネッロAnthonello ModeAMOE-10001
アロンソ:とりこてあアントネッロAnthonello ModeAMOE-10004
カレイラ:ファンタシアアントネッロAnthonello ModeAMOE-10004
漆黒の南蛮履アントネッロAnthonello ModeAMOE-10004

 

演奏・録音とも実にすばらしかった。夜の静かな漆黒の鏡のような湖面の上に波がすこしづつ広がっていくような、祈りのような音楽、そうして、そのような風景を想起させるような見事な演奏と録音!

 

濱田さんによると、13世紀ごろの音楽というのは、例えば、歌のパートの譜面しか残っていなくて、それだけを元に伴奏を再構築していくということだった。しかも、その頃は、今みたいに音程が世界的に確立しているということではなくて、エリアごとに音程が違うので(これは旋律優先で音楽が作られたということか)復元するのがとても難しいということで、ヨーロッパの音楽が、まだ民族音楽の域を抜け出なかった頃の音楽ということなのだと思った。

 

いくつかこの頃の音楽(カティンガの作品)を流してくれたのだけど、あたしには、ヨーロッパの音楽というよりは、どちからというと中東、、アジアよりの旋律とリズムを豊富に使った「民族音楽」に近く聞こました、、

 

さらには、15世紀の少年使節団(伊藤マンショとかね)と音楽の関わり合いとか、鎖国時代前にヨーロッパ人がもちこんだ音楽が、日本の伝統音楽の要素として気付かないうちに内包されていたのではないかという見地で、日本の民謡や旋律を彷彿とさせるような、その頃のヨーロッパ音楽の録音を流してくれた(漆黒の南蛮)。聞くと、なるほど日本民謡に酷似している部分がありますね、、

 

アントネッロのみなさんがやっているのは、もしかすると音楽考古学とでも呼べるのではないかと思った。でもそれだけではなくて、その音楽を今に再現するというのは、実に面白いと思った。また、その音楽を実に活き活きと演奏される、さらには録音も秀逸ですばらしい。アカデミックでありエンターテーメントであり、、う~むすばらしい!

 

だってですよ! 13世紀の音楽が、こんなふうに、素晴らしい音で再現される!っていうことが可能っていうのは、実にすごいことですね。オディオは本当にタイムマシーンだっ! 

 

ヨーロッパの音楽が和声やリズムを柱にして発達していったことが、アントネッロの演奏からも感じられるのだけど、一方日本では

和声とかかちっとした音程とかが確立されず、民衆音楽としてもときわずとかどどいつとかきよもととか、ソロで歌ったり演奏するっていうことが多かったのはやはり文化の違いなのか、、ああ、落語っていうの芸能もひとりでどんどんやってしまうものだしなあ、

 

それと、聞いていて何かに似てるな~と思ったのは、同じ旋律を同じテンポで繰り返すタイプの曲は、日本のおぼうさんの声明、、というよりは民家の法事のときのお経、、そ~言えば、大昔は例えば、楽器や楽隊は贅沢なもので、日本にしても経済的に豊かな都市部にしか存在しなかったものだろうなあ、つい100年前までは日本のほとんどが農村、、 

 

農村の中の音楽って、どういうものだろうかと考えたら、お祭りの太鼓とか、、農作業中の歌とか、そして、お経だったのかもしれない。 面白いのは、昨晩流れた曲の多くが宗教的なコネテーションがあるではないか、、

 

とまあ、いろいろな寝言みたいなことを考えさせるほどに、良い音楽でした、、

 

そうして、なにより、うちのタンノイとウエスギアンプで聞く、アントネッロの音楽は、深く、豊かに音楽が広がり響き、、、もうなんとも心地よい、、先週は寝床のBOSEラジカセで聞いて、それでも良かったけれど、アントネッロの本当の良さはやっぱりある程度気合のはいったオディオで聞いた方が間違いなく良いなあ、、

 

アントネッロの特集は来週で終わりで、最終回は大作モンテヴェルディの「聖母の祈り」だそうだ。これは聞かないと! 

 

 

 

 

 


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