あの地震から1年目にあたる昨日は、とても良いお天気。春爛漫という感じであって、、あたしもお昼から仕事をさぼって、地震で被害の最も大きかったところのひとつ西原村にあるオーディオ道場にあそびに行きました。
とういうのも、この前久しぶりに道場に片山マスターを訪ねたら、近々SPレコードばかけるけんね、、ヴィクトローラのクレデンザって知っとる? 最高級のSP再生器たい、、これが近く入るけん、、是非聞きにおいで、オーディオの最終章はSPレコードの再生ばい、、と言ってたからだった、、
しかし、本当にいいお天気、、空はスーパーブルースカイで、、ちょうどいい具合にあったかくて、、ゆるゆると愛車のKで西原村へ、、
午後遅くという時間と、平日ということもあって、お客様は一人だけ、しかもあたしの尊敬する師匠格の音もだち、、お~ひさしぶりです、、最近は聞きよるですか?と話がはずむ、、
先ずはアトリエで紅茶をいただいて、みんなでメインホールへ移動、、
そしてこれがクレデンザ、、
これはなかなかいいものバイ、、作られてもう90年ぐらいたつばってん、音はよかよ~と先ずは三橋美智也の「古城」という歌、、
音は悪くないです、いやむしろいい、、でも、もう少しボリュームがほしいなと思って、ボリュームあがらんとですか?と聞くと、、
あのね、これはね、SPの溝の刻みが直接スピーカーに響いて鳴りとだけん、ボリュームの大小は全面の扉を小さくするか、全開するかだけたい、、
なら、電気は通ってないととですか? アンプとかはないとですか?
と聞くと、、
あったり前たい、そういうのは、この機械の後の時代に出てくると、これが本当にダイレクトカッティングとダイレクト再生たい!
とマスターが説明してくれました、、
オーディオ道場には、すでに他界されたコレクターから譲り受けたおびただしい数のSP盤があります。マスターがただ今整理中なのだけど、今までは、聞く機械がなかったけん、この大事な歴史的に見ても貴重なコレクションば、聞かせることができなかったばってん、このクレデンザが来たけん、これからみんなに聞いてもらうことができる、、いろいろあるよ、、カザルスとかフーベルマンとか、SPにはその人たちの本当の音と時代がはいっとるよ、、
失われた時間をクレデンザが蘇えらすとよ、、これが本当の復興たいね、、
いやあ、地震の直後は、どうなるかと思ったばってん、なんとかここまでやってこれた、、これもみんなのおかげばい、、オーディオ道場復興たい、、
とマスターは言いながら、フーベルマン博士のバイオリンのSPを載せて、ゼンマイのハンドルをぐるぐる回して、針を盤の上におろす、、
静かに聞くのだったら十分な音量でクレデンザが鳴りだす、、、ああ、これがフーベルマン博士のバイオリンの音、、
モノーラル、ステレオ、LP,CD、ファイル再生、、ハイレゾなんていろいろあるけれど、これがオディオの原点なのですね、、
そ~たい、これがオーディオの原点たいと、ちょっとスリムになったマスターがつぶやきます、、
やっぱり、結構震災後は大変だったみたいです。マスターは、いつものように明るく笑いとばすけれど、、、
マスターそしたら、道場復活まつりばど~んとやろう!
と言うと、
おお!そうね、29日がおれに誕生日だけん、その日にやって!
とか言われますが、、スケジュール的にちょっと無理かなあ、、
暑くならない前に、、まだ季節の良い頃に、、やりましょう!
夕方、家に帰って、テレビをつけると、、地震から1年特集ばっかりだった、、
地震直後の記録映像が次々と たしかに振り返ってみると、結構大変な1年だったなあ、、
でも、西原村も含めて阿蘇エリアは復興にはまだまだ時間がかかりそうです、、
あたしたちが帰った後、道場の広い広いホールに、クレデンザの音が、、静かに広がったんだろうか、、マスターが一人ぽつねんと、それを聞いてたんだろうか、、
うん、やっぱり道場復興まつり、にぎやかにやろ~とあたしは決めた、、