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Channel: 西野和馬のオーディオ西方浄土パート2
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マイルスはそれを知っていたか? 「これだ! オーディオ術」を聞く

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昨晩(25日)放送のマエストロ村井の「これだ!オーディオ術」を聞いた。

10月はOMFレーベル特集ということで、アントネッロとか稲岡千架さんとかの作品を聞いてきました。で、昨晩はいよいよ本シリーズ最後ということで、ハーピストの西山まりえさんをゲストに中世ハープやフルートの作品が流れました。

(西山さん、、か、かわいい)

 

かかった曲は:

 

出演:村井裕弥 ※OMF特集④ ゲスト:西山まりえ- 
美しい花の踊り西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMFKCD-2056
美しい花の踊り(96KHz/24bit)西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMF
夏は来たりぬ西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMFKCD-2056
夏は来たりぬ(96KHz/24bit)西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMF
誇り高き鷲西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMFKCD-2056
誇り高き鷲(96KHz/24bit)西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMF
愛があなたの話を西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMFKCD-2056
愛があなたの話を(96KHz/24bit)西山まりえ(mHp&Organetto)、コリーナ・マルティ(Fl&clavisimbalum)OMF

 

いやあ、このシリーズ、バロック以前の音楽とか楽器とかについて、多いに学ぶことが多くて、実に興味深く聞いてきたのだけど、今回の放送は本当に面白くて、あっと言う間の1時間だった。

 

今回はマエストロと西山さんが、「現存する最古の西洋音楽と演奏」についてたっぷりかたってくれた。西山さんは、スイスの古楽を専門に学ぶ大学に留学して、世界各国の学生たちと古楽を音楽だけでなく当時の言語、記譜法などを学んだとのこと。その中には、中世以前のドイツ語とかもあって、「まるで源氏物語を原文で学ぶアメリカ人みたい(笑)だったけれど、でもがんばりました!」とのこと、えらいなあ、、

 

そうして、現存する最古の「譜面」を読み解いて、それをもとに演奏する!っていう、もう信じられないことをやられてます。それだけぢゃなくて、その当時の楽器を再現して(つくって)、それでもって、演奏するっていうので徹底している。

 

その当時の記譜法についても、解説がありましたけれど、譜面はラジオだから見えないので、ちょっと残念、、でも、相当細かい奏法まで、すでに指定できてたんですよとのことで、これもすごいなあ、、

 

驚いたのは、当時の楽器の再生方法。

ヒエロムス・ボッシュっていう、その頃の画家の絵があって、その中に、その当時の楽器がいくつか描いてある。で、その絵の中の楽器をもとに、実際に再現するのだということ! その他にもある楽器については設計図とかも残っているのだけど、そのまま再現してみたら、音があまりにも辺だったので、改良してみたとか、、

 

これって、考古学ですよね。音楽考古学! すごいなあ、

 

だって、こんな絵ですよ!

 

 

 

さらに、おもしろかったのは、その当時の音楽には短調・長調っていうのはなくて、じゃ何があったかというと「旋法」が音楽・演奏のベースだったとのこと。

 

で、最初にかかった「美しい花の踊り」を再生されたハープの演奏で聞いた、、

ああ、いいなあ、、なぜかどこかで聞いたような、あたし的にはなにか、なつかしい音楽、、 

 

最後の方でかかった、西山さんが手漕ぎのパイプオルガンと盟友であるフルートのコリーナー・マルティさんと演奏した現存する最古のカノンである「夏はきたりな」を聞いて、ああ、何かなつかしい、どこかで聞いた美しい曲という感じで、本当にひきこまれた。

 

この何日か、当地はとても良いお天気で空気が澄み切っていて、犬と夜明け前に散歩するのだけど、まだ真っ暗なのだけど、天空にはオリオン座、大犬座など冬の星座と星がさんざめいているのであります。西山さんの音楽は、なんというか、その星の世界に重なってしまいます、、

 

ず~っとそこにあって、どこを見ても美しい、、あっちから、何か言ってくるっていうんではないんだけど、よくみるととても美しい、、そんな感じの音楽みたいに感じる、

 

ボッシュの時代って、1500年ぐらいみたいだから、その当時に、こんな音楽が実際に演奏されていたんだってことを、、、今再現するっていうことは、本当にすごい!と思う、、西山さんのように、そういう研究に人生をかけてとりくむ人たちがいるっていうのは、本当にすごいことだと思うし、元気づけられます! 

 

そうして、いつものように、同じ曲をまずCDで、、次に94K/24ビットのハイレゾでマエストロがかけてくれたのだけど、、ああ、やっぱりハイレゾの方がいい! 

 

なんというか、音が自然にというか、、今回のハイレゾ録音では、CDだと窮屈だったものが、ハイレゾになると、たがが取れて、音全体が自然に出てきました。音全体がリラックスして鳴ってますというような、、CDでは出なかった「雰囲気」もふんわりと醸成されますね、、

 

さて、上の西山さんの説明「昔の音楽のベースは旋法で、長調・短調というものはなかった」ということを聞いて、あれ!これってモード奏法のことではないかと思ったのでした。ある土地で育まれた伝統的な旋律、、イオニアンとかミクソロニアン(?)とか日本にも日本旋律ってありますでしょ、、4THと7THを抜くみたいな、、

 

マイルス・デビスは、ジャズのコードに依拠した奏法を脱却するために、モード奏法を取り入れて、、ジャズを大きく変えたっていうことみたいだけど、、そうするとマイルスは、中世の旋法をベースにした演奏方法があったっていうことを知っていて、で、それこそ温故知新ぢゃ!みたいな感じで、意図的にモード奏法を導入したっていうことかしらん。マイルスは、ジュリアードまで行った人だから当然、音楽の歴史は勉強したんだろうから、旋法については熟知してたんだではないか、、

 

 

そう考えると、あの名盤「カインドオブブルー」の音楽って、西山さんがやってる音楽とちょって似てるようにも感じる。あたしが、昨晩聞いて、あれどこかで聞いたような音楽っておもったのも、マイルスのモード演奏と通底する何かがあったからなのかもしれません。カインドオブブルーのあの室内楽的雰囲気、、まったくの愚考ではありますが、、

 

ボッシュ時代の、楽器演奏者はアドリブで弾くっていうのが、当たり前だったらしいから、それこそモードジャズですね(笑)。

 

いやあ、しかし、西山さんと盟友 フルートのコリーナー・マルティさんの演奏は実に、しみじみいいですね、、もちろん技術的にもすごいのだろうけれど、、聞いてて思わず引き込まれてしまいました。

 

演奏のすばらしさを堪能したと同時に、おふたりのお話から、ひさしぶりに「知的刺激」を大いにいただきました。また次回もいつかやりましょうとマエストロが宣言されてましたけれど、是非お願いします。

 

今回聞いた西山さんの作品・「中世の四季」。あたし、すぐダウンロードしますけん!

 

 

ということで、10月の特集、堪能しました。

で、11月からはJBLパラゴン特集みたいだから、こちらも楽しみ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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