昨日取り上げたカラヤン最後の録音・VPOとのブルックナーの7番を自宅でも聞いてみようともってきたので、うちのメインシステムがあったまったところで聞いてみました。
実家の旧スターリングで聞いたらなかなかの音だったので、うちのFALとEARのアンプだったら、さらにいいだろうと期待して、CECのトラポに入れて回してみたのだけど、、ん~悪くないんですが、なんというか、、やっぱりちょっとうるさく聞こえるのですね、、
なんというか、それぞれの楽器の音はとても明瞭に再生するのだけど、音全体の溶け合い方というか、ブレンディングというか、そういうのが、なんとも不足しているような感じがしてならないのですね。そうして、大昔JBLのホーンSPで鳴らしていたときと同様、FFでは音がちょっと汚く濁って聞こえるときがある。プリのボリュームを調整すると(下げると)、まあまあFFでも音が飽和しなくなるけれどなんというか、やっぱりちょっとエッジのきつい、きれいな響にならない、、ん~なぜだろう、、この盤だけぢゃなくて、カラヤンBPOのマーラー9番のライブ録音盤もおなじような感じの音になってしまいます。
もしかしたら、録音の問題かもしれないと、ちょうどこの間、FMでアバドがVPO指揮したベルグの管弦楽曲を聞いてよかったので、調べてみたらベルグのコレクターボックスがあったので、注文しておいたのでした。そいつが届いていたので、これから聞いてみることにしました。このボックスアバドの「ルル」とか「ヴォゼック」とかも入っていて8枚5千円ちょい。アルバンベルグはいつか集中してきいたみたいと思っていたので、もうけものでした。
で、とりあえずこのボックスからCD1を取り出してちょい聞きしてみると、、これはいいです、、カラヤン盤のようなとげとげしたところがないし、エッジがたつことがなくて、楽器の音もバランス良く溶け合い、、普通にきけます(笑)。カラヤン盤は89年の録音、一方、ベルグボックスのほとんどが90年代のもの、、やはり録音技術とかそういうものの関係なのかしらん、
そういえば、以前の放送で「オーディオ歴史館」の牧野先輩が、デジタル録音の初期はマイクセッティングが不適切で位相がそろってない録音がおおくて、ひどい音になったものがある=というようなことを言われていたことを想い出しました。
カラヤン晩年に録音された手持ちのCDと言えば、例のマーラー9番、ショッスターコビッチ10番、アルプス交響曲、ホルストの「惑星」、ニールセンの4番とか結構持っているのだけど、、、いずれの盤も、うちのシステムで鳴らすとちょっとエッジのたった、うまく溶け合わない音になる。どれもマルチマイクの録音みたいで楽器それぞれの音はとてもきわだってよく聞こえるんだけど、全体としてうまくブレンディングされたないような音に、うちでは聞こえるのです、、
でも、実家の旧スターリングで鳴らしたときは、結構聞けるなあという感じがだったのだけど、うちのメインシステムで鳴らすとちょっときびしい感じになるのはなぜだろう? タンノイは昨日も書いたように、音楽信号を自分の中におさめて、タンノイ的なバランスにして上で音を鳴らす、、だからちょっときびしい録音でも聞きやすくしてくれるのではないでしょうか、、
一方、メインシステムのFALは、タンノイとは全く違う音になるのですね。
おんなじ盤を聞いても、タンノイで鳴らすとホールの一番いいところで、いい響きでうっとりするようないい音で聞こえるのだけど、FALの場合は、ホールの後ろぢゃなくて、ステージのすぐ前、かぶりつきで聞いているような感じの再生になります。2階のタンノイで聞いて、お~ホール真ん中の一番いい響の音ですね~と言いながら、1階のFALで聞くと、うわ~いきなりかぶりつきですかあ!とびっくりするほど音(楽器)が明瞭に眼前で鳴る雰囲気で、本当に同じ盤かと疑うほど、、
つまり、これがうちのFALの今の音の様子ということなのだけど、、ともかく音の実態感が強いです。タンノイが音楽全体のブレンド感を優先しているとすればFALの場合、音それぞれの実態感を優先しているように感じます。もちろんFALでも音楽全体のブレンド感はあるのですが、ブレンド感そのものもリアルというか、、強い、、だからといって測定器みたいな音ではないんですよ、、
FAL社のHPをごらんになると、同社のSPのキャッフレーズが「楽器がそこに見える!」とあるけれども、まさにそんな感じです。
そうして、FALで聞くと、ニアフィールドで聞いていることもあるんだろうけれど、部屋一杯に音場が広がります。3次元に広がります。
こういう傾向の違いがあるから、タンノイとFAL、それぞれ鳴らすアンプは違うんではないんだろうか。 タンノイは、大体どのようなアンプで鳴らしても普通にいい音で鳴らすことができるんではないだろうか。一方、FALは上のような強い個性があるので、その個性を自分の嗜好とベストマッチにするために、アンプの選択には時間がかかるかもしれません。
同じFALのスピーカーをお持ちのブログ友シマさんの過去ブログを読むと、シマさんもアンプでは相当に苦労されたようです。今はファーストワットのアンプに落ち着かれているみたいです。あたしが、前にSIT-1をFALのアンプとして導入したのは、シマさんが同社のアンプを使用されているのをブログで拝読したからでした(笑)。
うちは今、EARのプリ912とメインアンプもEAR 509マークⅡで鳴らしていますけれど、FALとベストマッチなのかどうか、、例えば上のカラヤン盤などの音を聞くと、ちょっと不安になるときもありますね(笑)。だけども、ピアノ音やボーカルは、今まで聞いたことのないような音で鳴ることもあって、やはりうまく鳴らないときは録音のせいにしたくなります(笑)。
逆にうちのEARアンプでタンノイを鳴らしたらどういう音になるのか、、いずれためさなくてはいけませんね(笑)。