ナカミチというと、カセットデッキと条件反射するのは我々なんですが、仲道さんというと、あああのかわい~ピアニストの方ですねっていうのはクラッシック好きの音もだちである。
さて、あたしは早寝早起きなんだけど、この間あまりにも早起きして3時ごろすっきり目覚めたのだけど、まわりはまだ暗いので、こ~いうときはラジオでもききましょうと、スマホのアプリでNHKの聞き逃し番組を探してみましたら、おもしろそうなのがありましたね。
文化講演会 「ピアニストは面白い!」 講師 ピアニスト 仲道育代 (2018年8月5日放送分)
とあるではないですか!
あたしってば、仲道さんの演奏ってほとんど聞いたことがないのだけど、なにしろこの人、そういう人でも知ってるぐらいのかわい~ピアニストなのであるので、まあ、お話もきゃぴきゃぴしたお話なんだろ~とあんまり期待せず聞いてみました、、
聞いてみたら、いや、本当におもしろかった、、先ずは自分とピアノの出会いから語られます。小学校のときにケンプのコンサートにいってベートベンのソナタを聞いて衝撃を受けたとか、、、寝る前に部屋をまっくらにして、ステレオ大音量でショパンの曲を鳴らしながら、ふとんにくるまって寝ていたとか、、そんないかにも天才だな~この人と思わせるエピソードの数々につづいて、ベートベンのソナタ演奏についてのお話。
これがとても面白くて、若い頃、全作品演奏会をやったことがあるのだけど、それを聞いていた作曲家の諸井誠さんが、やってきて、全然だめ、自分のベートベン研究にもとづいて、もう一回最初から一緒にやろうということで、あらためて全ソナタ演奏に取り組んだとのこと。
諸井さんと言えば、あたしらの年代の音もだちならば、その頃のレコード芸術とかでさかんに交響曲の新譜批評をされていたし、FMで番組をもっていられたし、たしかオディオにも非常に凝っていられたことを思い出すのではないでしょうか。たしか、先に取り上げたカラヤン最後の録音のブルックナーの7番(VPO)の批評をレコ芸で書かれたものの中に「うちのスチューダーA730がはじめて全開で鳴ったという感じがした」とと書かれているのを読んで、へ~と思ったことを鮮明に覚えているのですね(笑)。
で、諸井さんは、その頃、ベートベンの研究を熱心にやっていたこともあって、学者としての自分と演奏家としての仲道さんの共同研究として、そういう話を提案したとのことみたい。で、仲道さんと諸井さんはさいたまのホールで、ベートベンのソナタ全作品演奏をコンプリートすることになるというなのだけど、、
お話の後半は、ベートベンの「悲愴」ソナタの分析になりました。このソナタの柱となる音はふたつ、、その2音をベースに音楽が構築されていることを、実演を交えながら説明してくれます。これを聞くとなるほど、本当にそうだなあと納得してしまいます。
仲道さんは、ベートベンの音楽にしか感じられない強い「意志力」というものは、このような音楽の作り方によって表現されているのだはないかと説明します。なるほどなあ、、そういうと、昨年、サロネンが熊本で演奏したベートベンの交響曲7番の最終楽章で、おなじ音型のくりかえしが続き、これってミニマルミュージックみたいだなあと感じたことがあったけれど、仲道さんの分析を聞いて、ベートベンの作曲方法というのは、、そういうふうに先ず核となる音(音型)があって、その上で全体を構築しているということなのかあと思いました。
さすれば、これから彼の音楽を聞く際には、全体を茫洋と聞いていくのではなくて、やや分析的に、核となっている音・音型はなんだろうか探りながら聞いていくのも、ちょっと推理小説を読むようで面白いかもと思いました、、
さて、この講演会、10月1日3時まで聞けるらしいから、仲道さんファンだけでなくて、ベートベンの音楽の話としてもとても面白かったから興味のある向きは是非おききくださいませ。こちら → http://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=0969_01