その昔、あたしが南の国で学生をしていた頃、ある日、中国系のともだちと音楽の話になりました。そのとき、彼がともかくバロック音楽が好きなんだよね~とか言うから、どんなところが好きなのと聞くと、バッハだね~特にBマス(ロ短調ミサのことね)がともかく好きというから、なんでと聞くと、聞いていてあんなに面白い音楽はないからと言うから、さらになんでと突っ込むと、、あれを聞いていると物理とか数学とかそんな感じがしてきて面白いんだよね~と語ってくれた、、彼は理系の専攻だったから、なるほどおもしろいことを言うなあと感心したことを、今でもはっきり覚えている。
その数年後、あたしもロ短調ミサを定評の高いリヒター盤を秋葉の石丸電器で輸入盤で買い求めて、何回か聞いてのだけど、やっぱりどうも抹香くさくてなじめなかったのでした。
でも、最近、久しぶりに同じくリヒター指揮の「マタイ受難曲」を聞いて、お~これはすごいと驚いたのでした、、
もう5、6年前か、まだ熊本にタワーレコードがあった頃、ひやかしに入ったところ、これがど~んとセールしてありました。
ドイツ・ハルモニア・ムンディ 50周年記念ボックス。 なんとバロック音楽のいい録音がCD50枚にまとめられて、確か3千円ぐらいぢゃなかったか、安いのに50枚!というので、特に古楽が好きっていう訳でもなかったのに、いつか聞くかもしれんと思って買い求めたのでした。そのとき以降、いつか聞くからとか言って、サブシステム部屋には、このボックスを見えるところに置いてあったのでした。
そして、昨日の夕方、何かいい音楽をタンノイスターリングで聞こうと、しょちゅ~オンザロックをつくって、ふらふらと2階サブ部屋へ上がっていったのでした。今ね。このスターリング、ツィターとかケーブルとかをちょいと整備したところ、ぐっと音が良くなって、平日クラッシックを気楽にいい音で聞く分には全く申し分ない! このことについてはまた書くね(笑)。
さて、片山杜秀さんの本をパラパラやりながら、さて、何をききましょう~かね~とか言いながらCD棚を物色すると、おお! このボックスが目にとまった、、お~いよいよこのボックスを聞いていくのだとか言いながら、どっさり箱中にならんだCDから、これっ!とババ抜きみたいに引き出したのが、「フライベルグ・バロック・オーケストラによるバッハのロ短調ミサ」! 指揮はトーマス・ヘンゲルブロック。知らんぞっ!まったく知らん、そんな指揮者!
でも、最近バッハの音楽になじんでるからなあと思いつつ、トレーに入れます。あっ、サブシステム用のDACをSATRIからインフラノイズのDAC-1に最近交換。ここからアナログアウトでC-280に入ってP260でスターリングを鳴らしております。そしてフェディリクスのスーパーツィターももちろ付加、、DAC-1にしたところ、これもまあ、月並みな表現だけど、音楽性がぐんとあがり、特にクラッシック音楽の表現は本当に説得力が増したのでした、、
(C-280がとても気に入っています)
ということで、1枚目から、、 リヒター盤は何回か聞いたことがあるけれど、あんなにギリギリ緊迫してる感じは全くなくて、実に落ち着いているというか、ゆったりしているというか、ゆっくり楽しんで聞けますねえみたいな感じの演奏であります。かといって、「ずんだれ」ている訳では全くなくて、演奏はひたすら透明で美しい、、、こりは、古楽器でやってるんでしょうか、独特の響がありますね。これがまた心地良い。
フェディリクスのツィターは、専用アンプをかませてCDでは再生できない周波数を付加するっていうすぐれもので、こういう盤をかけると本当に威力を発揮しますね。低い音から高い音まで、実に美しく部屋中に広がって、本当に透明かつ美麗な音、、スターリングからこういう音が出るとはちょっと驚きです。もうこうなると、本とか読みながらぢゃなくて、音楽に引き込まれてしまう、、
結局、夕ご飯をはさんで、2枚全曲を聞きとおしました。なんというか、こころが洗われるというか、、いや、ま~本当にしみじみ良かった。昨日はリパティさんのバッハを聞いて、しみじみよかったと書いたけれど、フライブルグオケの古楽のバッハもとても良かった、、
しかし、メインのFALとEARのシステムの音も見違えるように良くなったし、加えてサブシステムのスターリングとオールドアキュの音もすごくいい! これ以上の音が必要ですかと聞かれたら、あたしは、もうこれで十分。後は、いい音楽をひたすら聞きたいですねえと答えるのであります。
後は、も一個、音の良い半導体のメインアンプ、そうして音の良い玉のアンプがあれば、大体あたしのオディオは仕上がるような気がしております(笑)。
30数年前。ロ短調ミサのおもしろさを話してくれた、彼は今どこで何をしてるんだろう、、、今でもこの曲を聞いてるのかしらん、
たぶんもう会うことはないだろうけれど、彼がげんきでしあわせであることを祈る、、