FALを一旦お休みにして、タンノイのタンベリーで、しばらく聞いていて、音の傾向が、前にも書いたようにだんだんとわかってきました。すると逆にFALの音の様子っていうのも、比較して、前よりうまく言えるのかなと思います。ということで、あらためてあたしのお気に入りのスピーカーの音について述べてみたいと思います。
昨日は、タンベリーで、モーッアルトの内田光子さんのピアノ協奏曲を聞きました。これはあたしの愛聴盤で、ときどき取り出して聞いています。
EARのアンプで鳴らしたタンベリーの音は、実にあたたくて弾力があって、ピアノをはじめ楽器の音が生っぽくて、ホール感が出て、演奏会場で聞いてるような様子で、もうすてきなんです(笑)。クラッックの演奏ををゆったり聞くなら、もうこれで大丈夫っていう感じになります。
同じ盤を、過去何回もFALで鳴らしました。音の様子は、タンベリーとはだいぶ違います。FALの第一義は何より「音」なんだなと思います。
無数の音の微粒子が充満して、音響になって、その上で音楽が演奏されるという、なんというか、ややそういう構造的な音の様子と言えばいいのか、、音楽が目の前に星雲状に展開するというのか、そういう「視覚的」な感じがするのですね。
FALのHPなどアクセスしてもらうと、同社のキャッチコピーが「音が見える!」「楽器が目の目に立ち現れる!」なのだけども、FALを使いこんでいくと、まさしくこのコピーがFALの音の特徴を確実に言い当てていることが分かります。
あたしは、FALの少し足りない低音をサブウファーで、ほんの少し補強してあげて、結果、部屋中に音響が広がる感じになってて、以前使っていたマッキンのSP XRT-22の醸し出した広大な音場空間(あたしは音のプラネタリウムと言っていたが)に良く似ていると思いました。
XRT-22は、ものすごくでかくて、うちの8畳で実力を出すのは、土台無理な話だったけれど、それでも、結構満足できる音で鳴ってました(笑)。
例えば、FALでECMのピアノトリオのCDなんかをFALで鳴らしたときの、微細で透明な響、、部屋の中一杯に広がるシンバルの音とか、、芯のあるベースの音とか、、他のSPでは絶対に出ないと思います。もちろんタンノイには出せない(笑)、、
なんというか、漆黒の空間に音が星雲状に広がっては消え、消えてはまた浮かび、、立体的でもあり、、あたかも、口径のでかい双眼天体望遠鏡で、シーイングのものすごく良い夜に銀河系をのぞき込んでいるような感じ(星好きの人にしかわからんたとえかもしれんが、、)の経験に近いかなあ、、
(こういうのがほし~のだけど)
FALは、ユニットのつくりが伝統的なそれと全く違うから、音の様子も違う、従って出てくる音も唯一無比。追い込んでいくと、普通のスピーカーでは経験できないような「音トリップ」ができるのですね(笑)。
一方、タンノイ。前にも書いたように、タンノイの人たちは、いい音を出そうなんて考えていない。彼らの第一義とする目的は、いかに生の演奏に近い音を醸し出すか=ということなんだろうと、今回、じっくり聞いてその思いを強くしました。
タンノイ関係者も「TANNOYというのは原音(ゲンオン)の再生とかいうものに目的があるのではなくて、コンサートホールの音楽の感動を再現する”イリュージョン オブリアルサウンド”なんだ」と述べているようだから、まさに彼らの音の原点は、ここなんでしょうね。
FALもタンノイもどちらもゴールは、良い音楽を良い音でリスナーに届けることなんだけど、そのためのFALとタンノイのとった方法は、違う。その方法の違いが音の様子の違いに出てくるというのは当然のことだと思います。
アンプとの相性もあるんだろうと思います。EARのアンプ EAR912プリ と EAR509(モノ)とタンベリーの相性は大変に良いと思います。
SP・ラインケーブルとも、うちの常用のインフラノイズのリベラメンテなのだけど、このケーブルもイギリスの機器とうまく合ってます。
それとタンベリーのスパイク足の下に敷いているアコーステックリバイブのクォーツアンダーボード(RST-38H)とも相性が実に良いようで、音の響がとてもきれいです、、タンベリーとか、プレスティジシリーズのボートとして最適なもののひとつだと思います。
「タンベリーを鳴らすときには、ボリュームを適切にコントロールして、ゆったり全体の響がつながるように、無理な大音響で聞こうと思ってはいけない。大音響でゴリゴリに鳴らしたいのだったら、違うメーカーのSPを使いなさい」==とこのSPを貸してくれた音もだちが助言してくれたのだけど、、まさにその通りで、、音全体がうまくつながって響くような音量にあわせる。上げすぎると歪んだ感じがしてくるので、ボリュームの設定はとても大事ですね。FALも同様、ボリュームの設定には気を使いました。
ボリュームがぴたりとあったときのタンベリーの鳴りは、、特にクラッシックとかオペラは、、あ~もういいこころもちなのですね(笑)。すぐちょっと一杯やりながら聞きましょうっていうことになる(大爆笑)。なんかこ~、気分の良い温泉につかっているような、、、
FALの音には、ひやりとさせたり、緊張したり、、リスナーがはっとしたり、覚醒をうながすような、、「音のモナド」が見えるというか、、そういう、タンノイとは、全く別の傾向を持った、音、、
FALは音像タイプ、タンノイは音場(温情?)タイプというのは、実に紋切り型なんだけど、まあ、悪くない切り分け方だと思います。
さて、もうひとつ、今、ならしているのはJBL4312。マッキンのC34とMC500で鳴らしているのだけど、、これもまた、上の2台とは違う(笑)。音がはっきりくっきりして、低中音が充実していて、ジャズなら、これっていう音が出てきます(笑)。しかし、鳴らしこんでいくと、透明できれいな音(特に高域)が出てくる。例えばピアノの響とか、サックスのシズリングは、もうほんとに「いぇ~い!」なのであります(笑)。
さて、どのスピーカーが一番好きかなんて言われたら困ってしまうけれど(笑)。今のあたしが一番好きな音は、やっぱりタンノイかな(笑)。
次にJBL。ジャズを聞きたい、やっぱり4312とマッキン(笑)。音はもちろんなんだけど、マッキンとJBLで鳴らしているっいう状況そのものがここち良い(笑)。FALは、実家にもっていって、FAL専用の部屋をつくる予定。そうして、ちょっと真剣に音楽を聞いていく。
夏はいろいろ疲れますよね、、帰宅して、シャワーを浴びてさっぱりして、しょ~ちゅ~のロック割りをやりながら、どっか~んとソファに横になって、音楽にふわっと包み込まれるような風情で聴きたいなあ、、 そんなときは、やっぱりタンノイが最右用、、そうして、今回は書かなったけれど、ハーベス、、そうして8センチフルレンジ、、
そんな感じで、タンベリー、、うち部屋のサイズとぴったりだし、、このまま置いておくことになるでしょうか、、、さて、連休、やっぱりタンノイで一杯かなあ(笑)。