事務所にHDDプレイヤーとヘッドフォンアンプ、ゼンハイザーのHD-800をもってきて事務所オディオまつりを開催中であることは、すでにお知らせしたとおり。で、このセットアップのエージングが大体完了したようで、当初とは音の様子が相当に変わりました。
これら機器をもってきたころは、アンプとHD-800のエージングが足りなかったみたいで、あれから毎日鳴らしこみ。特にHD-800は、購入してから集中的に鳴らしたのは、今回がはじめてだったこともあって、エージングが進んで、はじめは、高域がきつくて、なにかドライな音の様子だったのだけど、だんだんと音がナチュラルになってきて、レンジと音場が飛躍的に広がり、なるほど、ふつ~のヘッドフォンとはレベルが違うことが実感できて、世評の高い理由がわかりました。ラックスマンのヘッドフォンアンプP-1Uも、同じく集中的に使うことがなかったので、こちらもエージングが進んで、HD-800の音改善と相まって、以前とは、レベルの違う音になりましたねえ、、
このセットで音楽を聞くと、なるほど、これほどの音で、クラッシックもジャズも聞けるんだったら、ヘッドフォンだけで聞くオーディオっていうのもありかなあと思わせるほどなのであります。
20年ほど前に、STAXのイヤースピカーを専用の玉アンプで使ったことがあったけれど、あの感じに似ているけれど、もっと精度が高い上にレンジも広いという感じ。もちろん、現在のSTAXのイヤースピーカーは、前のよりもっといいのだろうけれど、、
ということで、満足してHD-800でヘッドフォンまつりを楽しんでいたところ、あたしの敬愛するインフラノイズのA社長からメール、、
インフラノイズ社のHPの社長ブログを読まれている方は、すでにご存じと思うけれど、A社長はこのところ、ヘッドフォンオーディオの研究に取り組まれいて、評価の高い内外のヘッドフォンを聞きまくって(もちろんHD-800も)いたのだけど、何かが違う、足りないというので、入手したヘッドフォンの音のチューニングに取り組まれていたのでした(アナアキュのオーダーが追い付かない状況みたいだけど(汗))。
で、ちょうどあたしがブログで、HD-800でヘッドフォンまつりをやってることを読まれて、連絡していただいたのでした。
A社長曰く、、HD-800の音をもっと良くするチューニング方法を発見しました。ご興味あれば、実に簡単なので、チューニングキットを送りましょうか? もちろん、あたしが、今送ってください、すぐ送ってくださいと言ってお願いしたのは言うまでもない(笑)。
数日後、ふつ~の封筒で郵送されたのは、なんと2枚の小さな円形シートでした。
A社長のインストラクションに従って、先ずは、HD-800の内側カップの振動エリアのカバーを取ります。この部分は接着してないので、指で軽く動かすと、すぐ取れました。さて、次のチューニングのシートをHD-800のカップ内側の振動エリアの真ん中に貼り付けます。シートの反面には、両面テープが施してあるので、はがして写真のように貼り付けます。済んだら、カバーをまたもとに戻して、、あっという間にシートの装着完了。
あまりにも簡単にできたので、これで音が良くなるんだろうか、なんてちょっと疑いつつ、音を聞いてみます。ん~たしかに変わった感じがするけれど、この状態で、2日ほどチューニングシートで鳴らしこみます。
さて、2日が過ぎました。音はどうか?
これがね、、信じれないぐらい音が良くなりました。もちろん個人的な感想であることをお断わりしますね。
チューニングシート装着前は、エージングが進んでとは言え、HD-800の癖というか、独特の高域がソースによっては、ちょっとうるさく感じたり、全体的に音の傾向がドライで、ラックスマンの音の傾向もあるのかなあと思っていました。
このような音の様子が、もうチューニングシートを装着後は、様変わり、、なによりうれしいのは、音全体がまろやかかつ瑞々しく、、
例えば、耳タコの内田光子さんのモーッアルトのピアノ協奏曲、、弦の響が、これがイギリス室内管弦楽?と疑うほどの極美、、木管のリアルさ、ピアノの音はこれまでより、ずっと実在感をもって、ハンマーが弦をたたく感じが、しっかりとわかります。もともとHD-800の特徴である広い音場がさらに広くなって、ええっ! こんなに違うの! と驚いてしまいます、、いやほんと、、
ジュリーニがシカゴ響と入れたマーラーの9番など、以前は、音がキンキンでうるさかったのだけど、チューニングシート装着後は、弦楽器をはじめとしてオケ全体が歌い狂う様がはっきり感じられ陶然としてしまいます。
ジャズも同様で、ヨーロッパの美音系ジャズは、したたるようなピアノの響、、ベースの音は細かいビブラートまでわかり、ドラムスは極美の鉄粉感、いや、これは、美しい、、極美ですなあ、、ため息でそう。
最近勉強中のモーッアルトのオペラなども、このチューンドHD-800で聞くと、モーッアルトのオペラがさらに活き活きと伝わってきて、もうお勉強ぢゃなくて、快楽ですわ(笑)。
あんまりすごいのでA社長の感想をメールで述べると、社長曰く==
ネットでいろいろ見ていたら、外国の方がHD-800のチューニングをされていて、それを基に自分なりに作ってみたのです==とのこと。
商品化の予定を聞くと==今のところ趣味の領域なので、商品化の予定はありませんとのこと。
たしかにHD-800については、A社長自身所有されて、試されたこともあり、あたしにもお声がけいただいのだろうけれど、他者のヘッドフォンだとうまく適用できないものもあるかもしれませんね。でも、HD-800に限って言えば、この音質改善は、なんで、このシートを張っただけで!驚いてしまいます。
(もちろんオリジナルのちょっとドライな音が好みの方もいらっしゃるでしょうから、装着後の音が気に入らないと感じられる方もあるでしょうが)
チューンドHD-800と上のセットアップで音楽を聞いて、この音なら、あたしのオディオはヘッドフォンだけで完結してしまうのではないかともお考えて、ちょっとおそろしくもあります(笑)。
さて、今日は雨の土曜日。仕事は開店休業、ひとり事務所で留守番のあたしは、ヘッドフォンオーディオで窓の外の雨をみながら、音楽を堪能いたしましょう。