昨日、大統領選のディベートの話を書いたら、トランプさん本人がコロナに感染したことが報じられた、あらら~と驚いてしまった。このことをどう、トランプさんがハンドルするかで大統領選に流れは大きく変わると思うけれど、ともかく重篤な状態にならずに、できるだけ短期間で、現場へ復帰するっていうのが、彼にとって最も大きな課題になったことは間違いないです。大統領おかかえの医療関係者やドクターたちのプレッシャーは相当なものになってるのでは、、しかし、トランプさん、やっぱり基本的な感染予防をしっかりしておけばよかったに、、、
話は全然変わるのだけど、最近よくベートベンの音楽を聞いておりました。読書しながら弦楽カルテットとか、オディオチエックに交響曲3番とか、、その他の初期の交響曲とか、、、ピアノソナタのいくつか、、内田光子さん演奏のピアノ協奏曲とかね、、
それと、今年はベートベン生誕250年ということを、NHKがもとSMAPの稲垣さんをホストにベートベンの特集番組をシリーズで組んだりしたのを観て知ったのでした。
うちのシステムの音も向上したためか、ベートベンの音楽を聞いていくうちに、この人はなかなかすごい人だったっていうのがだんだんわかってきました。もちろん、日本中の小学校の音楽室にベートベンの肖像画が張ってあった訳だから、なんしろえらい音楽家だったのでっていうのは、みんなが知ってることだけども、単にそう知っていることと、実際に音楽を聞いてそう感じたっていうのは、だいぶ違うのではないか。
もう30年以上もクラッシックを聞いてきて、バッハ、ハイドンとかモーッアルトとか、ベートベンよりちょっと前の人たちの音楽もとても好きで、オディオで良く聞いてきたのだけど、音楽のかたちが、ベートベンとその前の人たちとはものすごく違うということが、何回もそれらを聞いてきて、記憶の中で比較することでわかってきました。
さて、あたしは中高生のときは、ロックが大好きで、特にブリテッシュロックがお気に入りでした。先ずはビートルズ、そしてハードロック、、プログレと聞きまくりましたねえ(笑)。高校のときは、バンドを組んでハードロックやってました(担当はベース、今でもそう)。ハードロックの独特のグルーブするリズムと、ギターのリフ、、そして電気を使った大音量での演奏、、あ~しびれました、、
んでもって、ベートベンの音楽を聞いてみると、、これってロックぢゃないか、、と思いはじめたのでした。ベートベン以前の音楽には、ほとんどなかったような(あくまであたしの限られた範囲ではあるが)、激しいリズムにのった一定のフレーズの繰り返し(リフ)、もちろんロックよりも、ベートベンの作品の方が、より構造的に緻密に複雑なのだけど、基本的なところは、ロックと一緒ではないかと思った訳です。
そうやって聞いていくと、ピアノソナタを聞いても、執拗なリズムの繰り返しと強調、、ヘビーなリズムに乗る、リフ、、ハードロックだと曲も短いから、そんなに構造が展開していかないけれど、ベートベンの場合は、様々に展開していって、様々なイメージを想起させてくれます。そこが、やっぱりロックとは違うところなんだけろうけれど、、
そして、交響曲3番、、、 上のNHKのベートベンの番組でも、稲垣君と指揮者の広上先生が、この曲こそがベートベンの作品の中でも傑作中の傑作と話されていました。この番組では、ヤンソンスがバイエルンのオケと演奏した3番が放送されたのだけど、そんなにリズムを強調することなく、品のある演奏でとても良かった。
また、思い出すのは、3年前、来熊したフィルハーモニア管弦楽団をサロネン先生が振った「7番」。過去のブログで書いたけれども、最終楽章のものすごいスウィング感とグルーブで、あたしは、これはまさにジャズだ!と感激しまくったこと。
なんでも、ベートベンは音楽を変えたかった、音楽で革命を起こしたかった==らしいから全く意識的に、思想的に音楽のかたちそのものを変えたのだと思います。音楽のかたちを変える?ということでつながっていくのは、ストラビンスキーだけど、
先のサロネン先生は、ストラビンスキーも得意みたいで、「春の祭典」の演奏は特にすごい。でも、「春の祭典」は7番交響曲に多くを寄っているように、上の7番のライブを体験して、あたしは、強く感じたな。
あたしの愛する音楽評論家の片山杜秀先生は、「ベートベンを聴けば世界史が分かる」っていう本を書いていて、ベートベン当時の社会の在り方と、彼の音楽は密接にかかわっていると説明しております。(この本はとても面白いからおすすめです)。
ベートベンが、もし今生まれていて、身近にエレキギターとかドラムスとかがあったりしたら、多分、彼はロックをやっていただろうと思います(笑)。しかも、80年代にはやった攻撃的で反体制的なパンクロックみたいなものをやったのではないだろうか、、激しいリズムと人を鼓舞するようなリフでもって、、、彼の様子だって、ロン毛であるし、強面であって、パンクロックにぴったりのそれではありませんか(笑)。
いやいや、250年前だって、当時の人たちの耳にとっては、ベートベンの音楽は十分にパンキッシュではなかったか、、
間違いなくそうだったと思うのです、、
それにしても、ベートベンの音楽はすごいなあと実感するのに、30年ぐらいかかりました(笑)。