JBL K25800。
あたしが、はじめてN君とあった頃は、あたしもS5500を鳴らしていたのだった。
その後、あたしは、いろいろSPを入れては出し、出しては入れて、今も落ち着いていない。だけど、N君は終始一貫、5800を鳴らしこんできたのでした。えらい!と言うと、いやお金がなくて他のが買えないのですと苦笑、、、ほんとはS9800がほしいんですけれどとため息、、
10年前に、このSPを聞かせてもらったときは、アンプがジェフローランドの小さいやつで、プリがパトスのきらきらしたやつ(シリーズ名が分からなくて申し訳なし)で、スーパーツィターを乗せて、がんがん鳴らしておりました。
あたし的には、とてもいい感じなっているように聞こえたけれど、故村井先生が訪問されたとき、先生が「音が前にきてないねえ~」とコメントされたとのことで、その言葉を種にがんばってきたんですよ~とのこと(著書「これだオーディオ術1巻」にN君の音についての記事があります)。
10年たって、スピーカーは一緒だけど、回りの機器はだいぶ変わりました。
先ずは、デジタルソースは、CDのみ。しかし、ステレオ仕様のDAC(メーカーなどは不明)を2台使って、
モノ仕様にして、左右独立してアナログ出力。プリはパス社製。プリの後にアキュフェーズのDG45で音場調整をした後、メインアンプへ。メインアンプは、プロ用アンプ。VOSSのステレオアンプ(出力400W)をモノ仕様とし、バイワイヤ接続。サブウーファーはB&W製のものを左右2台に設置。
5800には、ツィターなどは何もつけず、素のまま。しかし、写真のとおり、この部屋も手作りの音響調整ボードが設置してあります。こういう対策をしても、音場調整がうまくいかなったことから、DG48をいれたんですとのこと。
で、いよいよ音を聞かせてもらう、、
ジャズピアノトリオ。あたしも耳タコのECM盤やらSAWANO盤やら、、
ああ、これは、すごい! 部屋が広いこともあるけれど、もうライブハウスで聞いてるような音の広がり。
ステージ前から3メートルぐらいの距離でピアノトリオを聞いてるような感じ、、
そして、実は、N君もあたしのお気に入りのピアニストであるエンリコ・ピアラネンツィのファンなので、にっしのさんが来ると思って仕入れましたよ~と、「ライブインパリ」の1曲目をかけてくれました。おお、うれし~!
先ず、1曲目の冒頭、女の人がフランス語でメンバー紹介するのだけど、おお!この部分に入った途端、ライブハウスの空気感というか、会場の大きさが実感できる。そうして、耳タコのピアノ、ベース、ドラムスの音が、いやもう、ナマみたい、いや、もうこれはライブハウスだわ、、
そうして、驚いたのは、うちでは、まったくわからなかったシンバルのリズムの細かい刻み方とか、演奏の詳細が、このシステムでは聞こえてくる。その聞こえ方が、分析的っていうのではなくて、実に自然に、ほらね、こういうふうに弾いてるからねみたいな感じで差し出してくれる。おしつけがましいところがなくて、心地よい、、
決して大音量再生ではないのだけど、楽器の音が生々しい、、しかし、全くエッジのたった、きつい音がしないのですね。聞いていて疲れない、というか、スイートな音、、、
音の立ち上がりとか、スピードとか、そういう基本的な部分は、もうすでに織り込み済で、音楽が実に自然に、しかし、ある意味官能的な音で鳴ります。
ジャズサックスを鳴らしてくれたのだけど、ブラッドフォード・マルサリスのアルト(?)の音のなんとスイートなこと、、細かいビブラートや、息遣い、ニュアンスの微妙な違いも、実に自然にふ~っと出してきます。
また、サックスをサポートするピアノの音の美しいこと、、ドラムスのシンバルの細かい所作まで自然に出てくる、、
いや~どれを聞いても、ナチュラル、スイートで、官能的な感じ、しかも、音の広がりがすごくて、映画館のスクリーンで映画を観てるようなサイズで聞こえる。
いや、いいなあと言うと、DG48で音場調整してカーブをさらに微妙に調整して、高域をすこ~しだけ下げ気味にしているので、この感じが醸成されるのですねとN君が説明してくれた。
しかし、VOSSのプロ用アンプを使ってるんだねえと聞くと、、やっぱりハイエンドのアンプがいいなあと思っていたのだけど、ちょっと前までバンドをやっていて、PA用にVOSSのアンプ使っていたので、ためしに、何にも期待せず使ってみると、これが予想以上によかったのです。なにしろパワーはあるし、がんじょうだし、鳴らしこんだら、ハイエンドのアンプよりいいかなという音に仕上がってきました。しかも安いしと笑っている。
いやいやいや、実にいい感じでなってます。あたしの知り合いにもプロ用のアンプでJBLをドライブしている人がいるけれど、その人も、これで十分とか言ってたなあ、、それにしてもVOSSのアンプで5800がこれだけなるとは驚いたなあというと、、ほんとはマッキンのでっかいので鳴らしたいんですけどねN君は笑っておる、、
しかし、本当にライブハウスみたいに聞こえるねえと感心していると、やっぱり部屋の広さですよ。
こればっかりは、どうしようもない。この部屋だからそう聞こえるのですよ。にっしのさんの部屋は、せまくて、どんなに機器を入れ替えても、部屋の狭さから逃れられない、、
むしろご実家の20畳部屋をメインにして鳴らのが良いと思います。ご自宅のお部屋は、夕方、いっぱいやりながらリラックスして聞くシステムにして、メインは、あちらの方に移した方が良いと思うなあと、、それか、お庭にオデイオ部屋を、おもいきって作るとか(笑)とN君がのたまう。
この10年、N君がいろいろ試行錯誤してきたことのオディオの結論がルームアコーステックなんだろう(笑)。
ん~、あたしも、そうしたいのはやまやまなんだけど、諸事情があって、なかなか実行できない(笑)。でも、たしかに、今のあたしの部屋は、もともと狭いうえに、モノが多すぎる、、、嫁さんもそういうが、、
先ずはじめにできることは、部屋のメインのシステムを一本にしぼること、その上で、メインシステムをしっかりおいこむこと、、N君がやっているようにボードとか、EQとかも悪くないかもしれない。
N君は、メインシステムを長年かけて追い込んだ方が良いと思います。でも、いろいろとっかえひっかえも面白いし、やめられないですよね。元気なうちは、それは続けないと、情熱失ってはいけない==と言う。
本当にそうだなあ、、あたしら、オディオ馬鹿一代だもんね!
と確認しあっていると、あっという間に、帰る時間になってしまったので、近く再開を約束して、N君宅をおいとましました。
さて、今回久しぶりにN君宅を訪問して、N君の音が相当に変わったことが分かりました。それはこの10年の彼の人生の厚みが反映されているのか、どうかはわからないけれども(笑)。でも、たしかに前よりナチュラルで、スイートで、より音楽性が高いというか、音楽を楽しめる音調になったのは、事実。今のN君の音を聞かせてもらって、なんだか久しぶりに、こころが洗われたというか、気持ちがす~っと軽くなったというか、聞かせてもらって、じんわりしあわせになりました(笑)。いや、いい音だった。あたし好みのいい音、、
さて、今回の訪問を受けて、これからあたしも、いろいろやらなくてはなと考えています。先ずは、機器の整理だな。部屋のシステムをメインシステム一本にしぼってセッティングする。その他の機器は実家もしくは、2階、事務所にセッティングする。そこから始めてみるか~と、帰路考えました。でも、実行できるかどうか。まあ、ぼちぼちやりましょ(笑)。N君ありがと! また、お邪魔させてくださいませ!