昨日は、夕方からクライバー盤のCD3枚目を聞きました。
いよいよお話は、最高潮になって、最後は、トリスタンも死んでしまって、イゾルデが、ご存知「愛の死」を熱唱して、これもまた死んじゃって終わる、、、たくさんの人が死んでしまうお話です(笑)。
演奏はすごい。音楽の起伏の差がものすごいし、場面ごとの音楽のニュアンスが微妙に変化していくところなぞ舌を巻く。ちょっと冷たい感じの録音で、弦や楽器の音が、ややクールに響くけれども、それだけに音色の微細な変化が、なんというか変化自在というか、まるで魔法のような音楽、、、
あたしは、イゾルデの「愛の死」は、カラヤンとVPOがノーマンと入れた、CDを良く聞いたのだけれど、いつ聞いても、なんだかもっさりした感じで、、そんなにいいとは思わなかったのだけど、、 今回クライバー盤でイゾルデを歌ってるマーガレット・プライスさんが歌う「愛の死」は、ノーマンより、美しく、きれいで、純粋な感じがして、とても気に入った。そうして、CD3が終わり、、今回の「トリスタンとイゾルデ全部聞くぞ作戦」がめでたく完了したのでした。
(カラヤンVPOライブ)
しかし、このクライバー盤は、全体の音調はすこし固い感じがした。
先に書いたように、うちのシステムの傾向かとちょっと心配になったので、手元にあった、カラヤンが70年代に入れたCDを回してみました。
すると、音調が見事に違う。アナログ録音だと思うけれど、音全体が柔らかく、中低域が分厚い。
クライバー盤は音は固いけれど、80年代の初期デジタル録音ということもあって、カラヤン盤より、ずっと細かい音が聞こえてきて、微細な音の変化がある、この作品をより分析的に聞くならクライバー盤の方が良いと思う。
しかし、ちょっとマイルドなトーンで、全体の雰囲気を楽しみながら聞くなら、カラヤン盤はとても良い。しばらく、カラヤン盤を聞く。演奏のスタイルも相当に違う。カラヤンの演奏の方が、熱気というか、ドロドロ感というか、そういう情感がもっと熱いし深い、、、感じがする。
ということで、クライバー盤の音の固さは、うちのシステムに起因するのでなくて、録音(初期デジタル)によるところが大きいと思いました。
でも、この精度の高い録音だからこそ、ワーグナーのこの作品の面白さが、よくわかりました。
次にトリスタンを聞くのだったら、さらに音質がよいものを聞きたいなあ。それこそ、ハイレゾとかSACDレベルの音が良いのではないかしらん。
さて、今回のオペラ一気聞き作戦その①だったのだけど、これは、なかなか悪くない私的プロジェクトだと思った。
毎日、少しづつ聞けば、それこそ、毎日1時間か2時間だけども、相当に長いオペラも1週間で聞きとおしてしまいます。また、聞いた翌日、昨日のストーリってどういうの、これからどうなるのというのを、ネットで調べて、なるほどあの音楽はこういう場面だったのかあと確認するのも面白かった。
そうして、何より、B&W805D3の音! 微細な音も、細かな響きも、大きなエネルギーも、何より、歌手の声が、声の違いというか、とても良くわかる。やや、ハイ寄りの音調にはなるけれど、オペラをしっかり分析的にも聞けるし、ゆっくりぼうっと楽しむこともできる。いや、これは
予想以上にあたし好みの音ですなあ(笑)。
ということで、作戦その①が完了。次は、どのオペラだっ!?