このところ毎晩、シベリウスの設置位置の調整を行っております。ミリ単位で動かしても、ものすごく音が変わるので、面白いけれど、あれやこれや、ベストポジションが、まだ決まらず、調整はまだまだ続く。
それでも、シベリウスの音は、さらに良くなってきていて、定評通りアコーステック楽器から成る音楽を鳴らしたときの気持ちの良さとか、肌触りの良さというのは、他のスピーカーでは望むことができないなあと思います。唯一、似ているなあと思うのは、あたしの経験からだけだけど、ソナスのアマトールとかに同様のやわらかな肌触り感があると思います。それにしても、シベリウス、、まだまだその可能性を十分に引き出しているとは言えず、さらに追い込みます。
うちの近所にリサイクル店があって、ときどき懐かしいオーディオコンポのジャンクなんかが出てきます。昨年はサンスイのスピーカーSP-50(感動美品!)なんかを譲ってもらった。今も、たまに往年のステレオコンポのジャンクがあって、なつかし~な~なんて言いながら見ております。
さて、先日のこと。リサイクル物の中に、真っ黒い小型スピーカーらしきものを発見。おお、ちょっと見たことがないものだなあ、と見てみるみると、フロントにELACの刻印が、、 ELAC エラック、、、あのJETツィターで有名な、まあまあハイエンドのメーカーだなあ、、でも、雑誌などで見るデザインとは、ちょっと違う、、でも、刻印はやはりELACですねえ。で、ちょっと失礼とか言って、持ち上げてみると、これがずっしり重たい、、アルミのエンクロージャー、、、これは、ちょっと気になるなあ、、
ちょうど、主人が出てきたので、ね~ね~これ、ちょっと貸してくださいよ。もし故障してなかったら、千円で買うからと言うと、い~よ~、お金とかいらないよ~。ど~せゴミだからさあと笑っておる、、、
ということで、早速、事務所に持ってきて、ソニーのプリメインにつなげてみた。
どうか、、ああ、音問題なく出ますね。2個中、1台は全く問題ありませんが、もうひとつは、スピーカー端子がゆるゆるだけどもケーブルをつなぐと問題なく音が出ます。まあ、基本は「ゴミ」だから、このぐらいは許容範囲だなあと苦笑しながら、鳴らしていく、、
(これっ!)
しばらく鳴らします、、
さてお昼休み、しっかり聞いてみましょうと、音楽ファイルを再生してみると、
いや、これ、全く悪くない、、、いい音なんです。音が実に緻密、、楽器のフォーカスがぴちっとあった精緻な音。
しかも、低音もしっかり出る出る、、、音の芯がしっかりしてて、低中音も太くて、全体的に「緻密」な音の様子。だからと言って何か無機質な音ではなくて、実にさわやかで伸びやかな感じ、、
ピアノの音がともかく良い、、弦の細かい鳴りが、低いところから高いところまで、緻密にしっかり出ますねえ、ある程度音量を上げても、パワーにしっかり呼応してくれます。
いや、これは、たまげた! ちょっと予想を遥かに超える、その音なのでありました、、
でも、ELAC、、裏側を見てみるとElegant 305 MK2 との刻印。
早速、ネットで調べてみたら、どうやら、ELAC社の超初期のスピーカーみたいです。日本では発売されていなかったようですね。それでも、ヨーロッパでは結構評価の高かったものみたいです。ELACに300シリーズてのがあるみたいだけど、その原型になったスピーカーみたいです。
あたしは、ELACのスピーカーって、今まで聞いたことはなかったけれど、この305、いや、実にいい音なんです!
ヤマハのセンモニの音にちょっと似てます。あれもとても緻密な音、、特にピアノなんか、、を出すけれども、、この305に比べると、フォーカスがちょっと甘い感じがする。この305のピントは、精密なレンズと通して対象を見ているような緻密さがある、、
これは、すごいな~とか思いながら、帰宅すると、ちょうどリサイクルのおじさんがいたので、あのスピーカー良かったよ、で、約束だからと、千円を差し出すと、いや~悪いねえ、、いらないんだけどね、とかいいながら、しっかり受け取りました(笑)。
おじさんが言うには、あのスピーカーは、外人さんの家に置いてあったのを、もういらないからっていうのでもらってきた。その外人さんが、イタリアかどっかで入手したもので、アルミでできていて、めったにないスピーカーなんだと言われた==とのことでした。
これで納得。ヨーロッパのどこかで入手したので、日本で発売されてなかった、このスピーカーがここにあるのですね。
いや、これもご縁ですね、、
シベリウスのシングルドライバーとエンクロジャーが見事にブレンドされた音の様子とは違うけれど、、
ELACのこのスピーカーの音は、全くキャラが違うけれど、いい音です。
事務所のメインスピーカーとして鳴らしましょう。