先週は博多に3日間出張して体調がぼろぼろになってブログができなかった。
オディオ熱もやや冷めて、しかもあまりにも暑くなったので、お茶の間にSATRIのヘッドフォンアンプとパイオニアのSACDプレイヤー PD-30を持ってきて、ゼンハイザーのHD800でジャズなどを聞いているという避暑生活を送っておりました。
こんなずんだれ生活の中、先週の日曜は会社の女の子の結婚式だったので、あたしも立場上参加したのでした。
その感想を少し、、、
あたしの頃から(80年代から)、古き良き時代の「ご両家お祝いどんちゃん騒ぎ」というかたちから新郎新婦がゴンドラにのってスモークの中から出てきたりとか、お色直しが2回ほどあって、入退場にはどか~んとラブソングが結構いい音で鳴ったりして「非日常」をクリエートするのが結婚式の柱になっていった。
今の結婚式は、「日日常」をさらに拡大させておった。
PAシステムだってよくなっているから、入退場の音楽の音質は大したもので、その時点で会場、特に新郎新婦の二人はそれこそ映画かテレビのドラマの1シーンに入っている(笑)。
関係者のスピーチやら乾杯は、まあかたちとおりにしても、一等はじめからのおふたり紹介ビデオやら、ケーキ入刀やら、メインのお肉料理はあろうことか新郎自身が調理コーナーでやいてくれるやら、、もちろん最後の新婦から両親への感謝の言葉にはぐっとさせられたのけど、、
ともかくすべてが「非日常のストーリ」でがちっと固まっていて、今の結婚式の意味が「一生に一度の最上の非日常ディ!」ということになろうか? この対局にあるのが、もちろんお葬式で「一生に一度の最後の非日常」になるんだろうな、、、もちろん本人はわからんのだけど、、
当日の極め付けは(といっても最近の流れらしいのだけど)、最後にたった今終わったばかりの披露宴の映像を見事にテレビドラマ並に編集して、正面に投影!
もうまさにテレビドラマの最後のように、今までの非日常性をさらにエスカレートしたのだった! す、すごいね!
大昔の椎名誠のエッセイに、ある結婚式に行ったら、額に入れたおおきな写真を持ってきていて、これは新郎の亡くなった父親の写真だったのだけど、息子の晴れ姿を、写真の中の父親に見せて、ともどもうれし涙を流した==というのがあったけれど、、そんなどろくさいことは、今の結婚式からは排除されていくのだろうなあ、と思った。
だけど、あたしの隣にすわった60過ぎのおっちゃんは、昼からがんがん焼酎を飲んで、コンパニオンのおねえちゃんを口説いていた(笑)。さすがにまだまだ肥後にはこんなおっさんがいることを目の当たりにして、あたしはちょっとうれしく現実にひきもどされた。
いずれにしても、真新しいカップルには、当日の非日常をバネにして、これからの現実に向かっていってほしいものですね、、
しかし、オディオで音楽を聞くという行為も「非日常」に他ならず、やはり人間は「非日常」が必要な生き物なのですね(笑)。
しかし、こんなことを考えるあたしは、もう本当におっさんになってしまった(笑)。