引き続きELP社製のレーザーターンテーブル(LLT)について、、
ELP社製と言っても、実は世界でLLTを製造販売しているのは、同社しかないとのこと。つまりトラブルがあったら、同社に相談しないと絶対に修理できないというしろもの、、というもの世界中で使用されているらしい。特に図書館とか大昔のSPとかLPを保管しているところで多数導入されているらしい。ということで、個人ユーザーはそれほど多くないみたいです。なにしろ、身近に存在する機器だから、年期の入ったオディオマニアでも、実際にLLTを聞いた方っていうのは、ごくわずかなのではないかしらん。
調べてみると、製造がスタートして20年以上になるけれど、その間、基盤のヴァージョンアップなどを繰り返し、音質も初期の頃より大変によくなっているとのこと。あたしの音もだちの所有機は、どうも初期のものらしいけれど、ELPにて基盤交換など、ほぼオーバーホールに近いメンテを施したとのこと。まあ、現行機に限りなく近いと言えるとのこと。
しかし、まあ、LLTの音をなんと言ったらよいのだろうか、、
音もだちは、CDとアナログのちょうど中間にあるような感じと言うが、、
いやいや、明らかにCDより良い音、、、CDの持つデジタルの固さが全くないし、高域がCDより素直に広がって、実に美しい。
内外のLLT評をネットで調べてみると「アナログ盤を聞くというより、マスターテープの音を聞いている」という意見がとても多いです。なるほど、もちろんマスターテープの音がどういうものか、分からんが、なるほど納得できる表現でありますね。
あたしが、アナログ再生で最も難しいと思うのは、FFでも音がつぶれず、美しく響きあって、自然な感じで音が鳴らないということ。あたしの腕と機器では、一生懸命に調整をしても、なかなか、思うような音にはならない。うちのアナログの音を聞いた後、CDを鳴らすと、あ~やっぱCDの方がずっといいと思ってしまうほど(笑)。
しかし、LLTの音は、あたしがアナログで鳴らしたい理想の音にほぼ近いのです!
CDプレイヤーの音とは、もう全く異次元の音体験ですよ!
最近、伝説のピアニスト ABミケランジェリのCDとかを良く聞いていて、しびれていたところなので、ちょうど音もだちが所有する同氏の代表的名盤である下の2枚をLLTでかけてもらった、、
(この2枚は、まさしく名盤だね!)
ミケランジェリだけに出せる響が、ごく自然に出てきます。ふわりと雲のような響も実にクリアーだし、なにより驚くのは、低域の深さ、、轟音というのか、そういう音が無理なく出てくる、、これはすごい。CDでもこんな音は出ない。
ミケランジェリのドビッシーは、すごいと言われていて、あたしは、幾度もCDを聞いたけれど、そうかな~なんて思っていたのだけど、今回LTTで聞いて、この2枚のすごさが初めて分かった、、それほどLLTの解像度の高さと、ダイナミックレンジの広さは驚異的です、、、う~ん、なんじゃこりゃ!と聞きながらひたすら驚く、、と同時に音楽に浸れる、、
いや~。すごい。
結構かちっとしたアナログ機器やウルトラハイコンプライアンスのカートリッジ、、、それらを厳密に調整したらこんな音が出せるかもしれないけれど、、
アナログでほんとにいい音出すためには、100万、200万円出しても難しいとオーディオ道場の片山マスターが良く言ってたけれど、LLTと同等の音を出すには、もっとかかるかもしれない。もっともLLTの現行新品の価格は高級アナログプレイヤー並にお高いけれど、、カートリッジやその他周辺機器のことを考えると、ちょっとお得か、、、
LLTもいいとこばかりぢゃありゃしない、、、
前にも書いたように、カートリッジの針先より細いレーザービームは、針ではとらえきれないゴミとかほこりとかも音として拾ってしまうので、音源がものすごく良くても、板面を再生前にきれ~に洗浄しておかないと、これらのノイズに音源が埋もれてしまって、せっかくのLLTの威力が発揮できないなるみたい。
う~ん、たしかに上のミケランジェリのドビッシー盤も、音もだちが相当に気合いれてクリーニングしていたから、聞けたけれども、板面が汚れていたら、音楽が台無しになっていたかもしれない。確かに、音もだちがかけてくれたいくつかの盤で、けっこうよごれていたやつは、バチバチ、プチプチ音がすごかった、、、ノイズの中から音楽聞こえてくるといった感じ、、
だから、メーカーのサイトを見ると、板面の洗浄(特にバキューム処理)は必須と強調されております。
LLT音は、ものすごく良い、、あたしの手持ちの中級プレイヤーよりもはるかによいのは間違いない、、
でも、アナログの調整とかの、手間暇などが楽しいということもあるし、カートリッジをいろいろ交換するのも面白いようだし。
LLTだとそういう楽しみがなくなってしまうし、アナログで長年かけて、すでに、自分の好みの音で鳴らされている向きには、LTTをあらためて導入する必要は全くないと思う。
一方、あたしらみたくアナログで良い音出してみたいけれど、CD・デジタル世代のあたしらは、いろいろな意味でなかなか、そこまでアナログに踏み込めない(笑)。そんな向きには、LTTは、いいかもしれない。
それにしても、LTTは、日陰の存在ではないか。ほとんどオーディオメディアに取り上げることもないし、繰り返すけれど、実際の音を聞く機会はほとんど無い。外観も、なにかこ~チープなのであるが、価格は、決しやすいなんてことはない(笑)。
でも、音はね、、あたしの長いオディオ経験からいっても、ものすごく良い!
CDとかデジタル音って、聞いてても、音はいいけれど、「気もちよく」なるっていうことはあまりないけれど、LTTでアナログ盤をかける、その音は、何しろとても「気持ちが良い」。これは不思議。
LTTは間違ってもデジタルではないとのこと。LTTは徹頭徹尾、アナログ機器なんだそうだ。レーザーを使っているからデジタルと誤解する向きが非常に多いらしいのだけど、LTTは、アナログ機器。そういうところがデジタル機器の音と一線を画する要因なのかもしれません。
とういう訳で、LTTを聞いて、ひさしぶりにオディオ的に興奮したのだけど、、
アナログが、復活、ブームになっている昨今、LTTも、オディオマニアのみなさんから広く見直されるべき機器だとあたしは思うな、、
LTT,なかなか聞けないかもしれないけれど、機会があれば是非ぜひ、聞いてください。その価値がある機器ですよ、こりゃ!