さて、いよいよメインホールの音を聞かせてもらいます。
こちらは、最近はときどきしか音出ししてないみたいです。エアコンが壊れているからあつかよ~とか言いながら音出しです。
ん~。いや、すばらしい!
アトリエ、新ジャズ部屋、そしてメインホールに共通する音の様子がありますね。以前聞かせていただいたときとは、ちょっと音の様子が違う。なにしろ、部屋がひろいし、マスターお得意の複数のユニットをドライブして、ひとつに織りなしていくのだけど、今回は前と違う感じ。以前は、どちらかというと、ユニットの数にまかせて、ちょっとワイルドな鳴り方になったこともあったけれども、今の音は、すごくうまくコントロールたというか、調和されている。
音場はもちろん限りなく広い、、もちろんJBL、タンノイのユニットを複数使った音なのだけど、出音は、まるでひとつのユニットから出ている感じ。ダイナミックレンジは広大。そして、前と決定的に違うのは、音の立ち上がりですね。
ユニットは、こちらのアッセンブルがメインとなっていて、ヴァイタボックスのウーファーユニットも鳴らしているとのことでしたが、あまりにも複雑で、一回説明を聞いただけでは、なかなか詳細が分からん。でも、なにしろ出音は、これまでここで聞いた中でも、最高レベルだと思います。
大音量再生でも、音に全く歪感がないですね、、パバロッティの澄んだ声が館内の隅々まで響きます。
クイーンのロックとか、イーグルスのホテルカルフォルニアのライブとか、眼前で彼らが演奏しているような臨場感がすごい!
大音量だけど、ちょっともうるさくないし、細かい音の重なりもわかる、、こりは、すごい!
だけでも、音全体の様子は、とても優美、柔らかい、、だけども、音の芯は、はっきりしている。つまりは、全体の音の構成要素がバランスが実に見事にウエルブレンデッドされているのであります。
音全体の温度感は、ややクールな方向へシフトしているのではないかとあたしは感じた。それは、決して悪い意味ではなくて、音楽を楽しむには、ややクールなスタンスも必要だからかもしれない。
ずっと前に、プロのオケで、ベースを弾いてる方から聞いた話、、
真にすばらしい指揮者は、どんなに熱い演奏をしていても、頭やハートの一部分が常にクール・冷静さを持っている。どんな熱いように見えても、常に自分の音楽を冷静に見ている。それがない指揮者は、どこまでいってもただの凡庸、、
道場の音を聞いて、そんな話を思い出した。ホット・クールがうまくまざりあった適度な温度感とでもいうのか、、
「大変僭越ですが、、、音がものすごく変わりましたね、、いやよくなりましたね」
とあたしが言うと
「もう70歳過ぎバイ! 音も極めないとね!」
とマスターが笑う、、、
ん~、アトリエ、新ジャズ部屋、メインホールといい、オーディオ道場の音、いや片山マスターの音は、ものすごく進化・深化したことを感じました。これだけの音は、普通の家では出せないし、、このクオリティは、やはり長年の経験と勘によるものに違いない、、
次に、いよいよ傷だらけのハーツフィールドの音を聞かせたいただきます。
ん~、これは、これまでのシステムの音とは、ちがってややエッジがあるハードな音。しかし、ピアノの音が実に美しい! ベースの音の沈み込みが半端ぢゃない。ジャズ好きの人は、是非聞いてほしい、、
「プリは、マッキンのC22のライン回路をコピーして特注した自作たい! メインは、ウエスタンの300Bを使ったシングルたい! CDPは、スチューダーのA730たい! このシンプルなシステムで、ハーツフィールドが鳴りきるとたい!」
と片山マスターが説明してくれた。
熊本地震の際、このスピーカー、あちこち破損して、修復箇所が痛々しいのだけど、音は、「傷だらけの天使」です。
その他システムも聞かせてもらったのだけど、全システムとも、上に書いたように、音のバランスが実に良く、澄んだ音が重なりあって、響が美しい。エネルギーも充実、スピードも早い早い、、以前の道場の音を知っていられる方は、びっくりされるほどのかわりようなのであります。くりかえすけど「進化・深化」ね。そのかわりようは、今回聞いたすべてのシステムに共通しているように感じました。ジャズメインのシステムでは、ちょっと辛口の味付けをしてあるけれども、基本になる音の柱は、一緒だなあ。
オーディオ道場の今の音。一聴に値します。
特に、年期のいったオーディオマニアのみなさんに聞いてほしい、、
何か、これまでのオディオライフの価値観が変わるかもしれない、、
とあたしは、思いました(笑)。