前の記事で、インバルがフランクフルト放送交響楽団と録音したマーラーの交響曲5番について書いて、いつもコメントをいただくbxh07216からも良い音で鳴らすのはなかなか難しい盤だとのお声をいただきました。
なにしろ、このシリーズがリリースされた当時、デジタル録音のパイオニアであったDENONがB&K社の無指向性マイクでのワンポイント録音!ということで、優秀録音盤ということで雑誌とかで高く評価されたのでした。
その録音評につられて、あたしも、5番、6番、4番、10番と買いました。でも、当時のあたしのシステム(JBL-S5500とマッキンのプリとメインとスチューダーD-730)では、小さい音はものすごく小さく、大きい音は、腰がぬけるほど大きく出て、つまりダイナミックレンジが広い録音ってうことなんだろうけど、音量コントロールが全くうまく行かず、まあ、S-5500でクラシックっていうのが、当時のあたしの腕では無理だったということもあっただろうけど、、、 うまく鳴らすことができなくて、録音評を疑ったりもしたのでした(笑)。
インバル盤だけでなくて、他指揮者盤でも(特にカラヤンの9番盤)マーラーの交響曲の再生は、でかい音と細かい音の落差が大きいし、曲想が次々と変わり、ついていくのが難しい。ともかくFFで鳴るときは、阿鼻叫喚で、8番「千人の交響曲」なんてのは、もう見ただけですいませんで、多分、この20年でほとんどかけたことがない、、うるさそうで(笑)。
一方、ブルックナー、、、ブルックナーの交響曲は、うちのはったりシステムでも、とても良く鳴った。S-5500でも、実に深々とした音でなったものでした。
曲の流れがゆったりで、マーラーみたくアップダウンがなくて、FFでもながくゆったりであるので、鳴らせ安かったということもあったんだと思う。
さて、あれから幾星霜、あたしも還暦を越し、、まあまあオディオのことも分かってきて、メインスピーカーをイギリス製の10センチフルレンジ、良質なA級アンプ(2台)、CDプレイヤーがCECのベルトドライブトランポート(2台)と良質なDAC2台、ケーブルその他をインフラノイズのアイテム==というシステムにしたことで、やっとインバル盤の音の良さが実感できたのでした。
システムの規模としては、過去所有したものに比べ、極めてダウンサイジング。
だって、15年ほど前は、マッキンのXRTー20、マッキンMC1201(モノ2台)、C-46、CDPは、dcsエルガーとヴェルディというラインアップだったから、今のシステムは、ほんとにモディストであります(笑)。
でも、この大きなシステムでも、インバル盤は、ちっとも良くならなかった。
いや、音は盛大に出てたと思うけれど、それは音で、、音楽になってなかったのでした(笑)。あたしの頭の中にある理想の音と出てくる音がちっともリンクしなかったということ、、
今のシステムの音は、とてもしっくりくる、、パールアコーステック社が精魂込めて製造する「シベリウススピーカー」の音は、鳴らすほどによくなってきます。そんなに大きなスピーカーではないのだけど、マーラーでも、ブルックナー、ストラビンスキーなんかの大編成のオケをゆったりと豊かに鳴らします。インバル盤の良さは、このスピーカーのお陰ですね(笑)。
日本では、ほとんど知られてないし、使っているのは、あたし一人ぐらいかもしれないけれど、あたし的にはとても満足、、、手放すことはないでしょう。
インバルとフランクフルト放送交響楽団盤は、中古でベルリオーズ作品集とかブルックナー交響曲が何枚かあったと思う(どれもDENONのPCM録音)。どれも一度聞いて、あ~やっぱり音わり~とかでCD棚に入れたままになっています。
ちゃんとならせるシステムになったので、またあらためてこれらのCDを聞いてみましょう、、
まだまだ手もちのCDでもいろいろ楽しみがありますね。